March 02, 2021
RuffleでFlash復活
「Ruffle」はゲームや動画、オーディオ、アートワークなどの共有サービスを手がける米Newgrandsが2019年8月23日に発表したプロジェクトで、「Flash Player」に代わってSWFムービーを実行するエミュレーター。RustでFlash実行環境を実装し、Webブラウザ上でバイナリを実行するWebAssembly技術でWebブラウザ内でのFlashコンテンツの再生を可能にしてるらしい。意味はわからんけど、とにかくすごい技術みたいよ。
Flashは死なない
Ruffleを開発してるボランティアたちは、世界からFlashという文化がなくなってしまうのはあまりにも惜しい、寂しいという思いから日々取り組んでる。最新版のアップデートも頻繁。Ruffleで大昔に作ったSWFが今も動くだけで嬉しい、すごい、それだけで満足。無償で提供されるRuffleで世界中の多くのFlashコンテンツが救済されちゃってください!3つのRuffle
Ruffleには3種類ある。1つめは、ChromeやFirefoxの機能拡張でブラウザーに組み込むタイプで、Flash Playerプラグインに代わるもの。WEBやローカルを問わずSWFをブラウザーで再生したい人が自主的にインストールする。2つめはローカルのSWFを実行するデスクトップ・アプリケーションのタイプで、Flash Player.appみたいなもの。再生したい人が自主的にインストールする。そして3つめがWEBサーバーに設置するタイプで、WEB上のSWFムービーを誰もが再生することができちゃう。再生する側は何の準備もいらない。なので目指すのはこの3つめ。インストール
1:公式サイトのReleasesから、最新版のRuffleをダウンロード。一番右のWebsiteのSelf Hostedってやつ。2:ダウンロードしたファイルのうち、ruffle.jsと.wasmを自分のサーバーにアップロード。
3:SWFが埋め込んであるhtmlで、</body>の前に、
<script src="[ruffleのパス]/ruffle.js"></script>
これで完了。
プレビュー
さっそく見てみるぞー。SWFムービーが表示されるまで、少し時間がかかるかもしれません。わくわく。ロードが終わったらパッと表示されます。SafariとChromeの場合は、再生マークが出るのでクリックしないとSWFムービーが表示されません。こーんな簡単な手順でChrome、Firefox、SafaeiでSWFムービーが表示されました。さて、iOSはどうかな?iOS 14以降のiPadはOKでした。すごーーい!iOS 12は、表示はされるがボタンはダメ、効かない。とりあえず、アニメーション制作バイブル復活。ここも少しずつコンテンツを復活させてく。
エラー
.wasmが動作する環境じゃないってエラー。使用マニュアルによると、httpd.confのMIMEタイプにに.wasmを追加しないといかんらしい。オレが借りてるサーバーのMIMEタイプ一覧を参照したらそれがない。そこでサポートに追加依頼したけど、1週間待たされた挙句、「共用プラン」のため拒否された。そこでいったん諦めましたよ。でも数日後、Ruffle.jsをアップデートしてみたら動いた!なんでか知らんがとにかく動いた!JavaScriptがコンフリクトしてますエラー。読み込んだJSのうち、邪魔してるやつがいるらしい。それを特定し、読み込むのをやめたら大丈夫になった。
swf2js
RuffleみたいなFlashエミュレーターで日本のToshiyuki Ienagaさんが開発してる「swf2js」ってのもあります。こちらはAVM2(AS3.0)にも対応してるけど、オレのはAVN1だからRuffleでいいかなと。もしRuffleが動かなかったら試すつもりだったけど。今後の課題
ネット社会からFlashムービーが駆逐されたのはFlash Playerが問題だったわけで、Flash Playerナシで再生できるんなら堂々と復活するべきだよね。Flash Playerは死んでもコンテンツは残りました。そして新しいFlashムービーがこれからも出てきていいわけです。なんかもったいないよね。Flash Player終了が終了して何年もたつけど、Flashに相当するものは今も出てきてないんだから。AnimateでまたFlash全盛を取り戻したいところ。それにはひとつ問題があるんですよ。RuffleがActionScript 3.0に完全対応してないこと。アドビはAS 3.0に移行してAS 1とAS 2をあっさり捨てちゃったけど、RuffleはAS 1〜3までサポートするべくとがんばってます。古いSWFはRuffleで再生できるんだけど、新しく作ったムービーはどうでしょ。Animate CCでをパブリッシュしたSWFを再生しようとすると右のようなアラートが出ちゃうんです。もしSWFにAS 3.0を使ってたら正しく再生されないかもよってことです。ここで「Run anyway」を押すとやっと再生ボタンが出ます。つまり、再生まで1クッション増えるわけで、ちょっとうっとーしいんです。なのでこの1クッションはAS 2.0のSWFをパブリッシュすればを回避できます。
でも、Animate CCやFlash CCのパブリッシュはAS 3.0しか選べません。SWFの中でAS 3.0を使ってなくてもなっちゃう。AS 2.0でパブリッシュできるのはFlash CS6以下。Animateで作ったFLAをFlash CS6で開いてパブリッシュすればいいんだけど、現実的じゃない。アドビはとっくに提供してないんだから。RuffleがAS 3.0に完全対応するか、アドビがAnimateから無用の長物になったAS 3.0を廃止してAS 2.0に戻してくれるかですね。多分後者はないけど。
参考サイト
- Ruffle:公式サイト
- OSDN:Webブラウザ上で動くFlashの実行環境を開発するプロジェクト「Ruffle」が立ち上がる
- 緑SM64のいろいろメモ:Flashエミュレーター「Ruffle」はなぜ本家Flashの問題点を解決できるのか
- ICS:Flash作品を残すために取り組んだこと
- github:Frequently Asked Questions For Users
- traP:【Flash作者様へ】Flashの希望と未来【Ruffle】
- 緑SM64のいろいろメモ:Flashエミュレーター「Ruffle」はなぜ本家Flashの問題点を解決できるのか
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