May 07, 2020
映画『キャロル』のフレーミング
2015年の映画『キャロル』はパトリシア・ハイスミス原作のサスペンス映画。タイトルロールを演じるのはケイト・ブランシェット、彼女に恋してしまうテレーズがルーニー・マーラ。舞台は1952年のニューヨーク。撮影監督はエドワード・ラックマン。
キャロルとテレーズが初めてランチするシーン。2人の会話を、相手をなめてのカットバックで見せるのは珍しいことではないけど、すごいのはレイアウト。この大胆なフレーミングに「え?」ってなった。半分に収めてる。センターに赤線を入れてみたよ。本来なら話す相手がいる方に空間を取るはず。16:9なのに半分持て余してるような気がした。
実は2人の背後に見える様子が重要だった。イマジナリーラインに則りながらも、まだ親密ではない2人を表してる。同じ公共空間でもテレーズからだと他の客は見えない(キャロルに集中)けど、キャロルからだとテレーズだけじゃなく他の客も視界に入る(人目を意識)ってことだった。深い!
このフレーミングはFilm Propsに詳しく解説してあった。
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