September 29, 2018

「歩き」について

Walk Cycle Reference
「歩き」は基本中の基本なんだけど、いまだに悩むの。イメージ通りの歩きがなかなか描けなくて。歩きの参考を画像検索すると、なんか使えねーのばっかし。上手向きだから海外のやつだね、ほとんど。海外のリファレンスってディズニー発祥だからか、人の歩きがおかしいよね。ディズニーの動物キャラにはいいんだけど、そもそも動物の二足歩行が嘘だから、それを人間に当てはめると自然には見えなくてあたりまえ。だから人間はロトスコープしてたと思うんだけど。

フワフワとグニャグニャ

Walk Cycle Reference特に軸足に重心がのったときの沈み込みがキショイ。これを「フワフワ歩き」(カートゥーン歩き)と名付けました。さらに腕のフォロースルーが加わったのは「ぐにゃぐにゃ歩き」(ディズニー歩き)と名付けました。アニメの授業で実演したりしました。

実際、シェア率の高い有名どころを2点、GIFアニメにしてみましたよ。Flashアニメもこなすダーモット・オコーナーと『サバイバルキット』のリチャード・ウィリアムズ。歩いてるようには見えるけど、こんな歩きしてる人い、見かけたことある?
あと、プレストン・ブレアによる教科書『Cartoon Animation』からの画像。
Walk Cycle
スペースの都合で2歩めの途中までしかない。つまり、このままだと1/4サイクル不足してるのでリピートしない。よく見ればわかることなんだけど、ネットだと気付かない人がいるかもねー。リファレンスは1サイクルでのっけてほしい。

横向きの歩きなんて作品内でそんなにないからね、なんでリファレンスが横向きばっかかってーと歩きのメカニズムがわかりやすいから。これを別のアングルに応用して描くわけ。でないと、横向き歩きばっかのアニメーションになっちゃう。

Endless Reference

いちばんいいのは人が歩いてるビデオ。自分で歩いてるところを自分で撮影するのはベストなんだけど、誰かの協力なしには難しいよね。なのでネットで探してみる。やっぱネット上の信頼できるリファレンスは実写ビデオでしょ。たとえばこのチャンネルにあるリファレンスはとてもいいと思います。

でも、このビデオを参考に歩きを描いてみるとわかるけど、なんか気に入らないわけです。それは、離地時の足。この人、地面蹴り過ぎじゃない?ちょっとコレじゃない感じ。なので修正してみたのがこれ。中7枚7枚の16枚リピートです。いい感じでしょ。
中7枚歩き

日本のリファレンス

やっと自然に見える歩きのビデオが見つかりました。

3コマ打ちで中3枚3枚の8枚リピート、これが日本の王道!
ということでこの本に辿り着いた。

「歩き」について考える様々なこと

「歩き」について考える様々なこと

井上俊之著
ピーエーワークス発行
『さよならの朝に約束の花をかざろう』(2018)制作当初に、メインアニメーターを務めた井上俊之氏がP.A.WORKSのスタッフ参考用に作成した原画と図解をまとめた教本。これはいいですよ、ヘンな歩きがなぜヘンなのか、どうすべきなのか、「歩幅」「上下動」「腕振り」など、歩きについて気になってたことが具体的に書いてある!自費出版なのでアマゾンでの扱いはなく、P.A.WORKSのオンラインショップで購入。
この本はフリップブック形式になってんの。掲載された様々な歩きのサンプルは動画用紙と同じように見ることができるんです!
動画用紙
こんな感じだよ、入手したらやってみてね。


Posted by A.e.Suck at September 29, 2018 12:37 PM