December 19, 2014
背景はトゥイーンで描く
背景を描くのは好きじゃないって前回も書きました。実は他にも理由があります。ぶっちゃけ、背景はタダだから。個人制作のFlashアニメーション仕事は昔からアニメーターが背景も担当してきたわけで、背景の予算なんて最初からないんだもん。ギャラが激安になった今では、背景はタダで描いてるようなものなんです。簡単な背景ならいいんだけどさ、たった3秒しか使わないワイドの背景描くのに丸2日かかったりね、タダなのに。だから自分でコンテ切るときは、背景はシーン内で使い回せるように設計するとかしないとね。タダだから少しでもラクしたい、手抜きしたいと思うのです。そんな中から生まれたFLASHならではの背景作画テクニックです。
パース
コンコースの背景制作です。ワイドなエスタブリッシングショットです。レイアウトしてはオーソドックスな一点透視です。パースの狂いが出やすい上、パース上に柱や照明をいっぱい描くのって超メンドイですよ。キューブリックが好みそうな左右対称の背景なので、FLASHならあの手が使えます。
なぁ〜んにもない、ガラーンとしたコンコースの絵。センターから放射状に伸びる赤い線はこの背景のパース。
パース線が重要なので色付き背景はアウトライン表示に。新規シンボルを同じ位置で編集にして、柱をパースに合わせて描きます。この場合、柱は左右で一対。貼ってあるポスターの都合です。
この柱を数フレーム先のキーフレームにコピーして、パース上に縮小配置。これが一番奥の柱です。オニオンスキンで手前の柱を表示して確認。
トゥイーン
手前から奥に、柱のインスタンスをクラシックトゥイーン。とりあえず、イージングは[100]。トゥイーンスパンを長くすると柱の数も増えます。
トゥイーンをオニオンスキンで表示。ただのイージングだと、手前と奥以外の柱がパースに合ってません。
カスタムイージングでトゥイーンバランスを変更。このカーブは後で使うのでメモリにコピー。
トゥイーンスパンを選択してキーフレームに変換します。
複数フレーム選択ですべてのインスタンスを選択してカット。トゥイーン始まりのフレームで、同じ位置にペーストします。これですべての柱が同じフレームに集まりました。重なり順も正しいです。
天井の照明も同様に、手前から奥へのクラシックトゥイーンで配置します。このとき、カスタムイージングでメモリにコピーしてあるイージングカーブをペーストすれば柱とピッタリ合うよ。
最後に人物の汎用シンボルを配置すれば背景の完成です。柱のシンボル内でポスターを変更すれば、コンコースじゅうのポスターが一気に張り替えできます!
Posted by A.e.Suck at December 19, 2014 09:03 PM
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