July 10, 2012

ヌルヌルとぬるぬる

購入検討中だったBRAVIAをヨドに見に行ったときのこと。「4倍速モーションフローで、アニメがヌルヌル動きます!」だと。なに〜ぃ、アニメがぬるぬる動いたらダメじゃん、自慢にならんわ!って思ったが、つまりこーゆーことだ。どうやら「ヌルヌル動く」ってのは「カクカクしないで滑らかに動く」って意味らしい。なんじゃそりゃー。こーゆー表現はテレビだけでなく3DCG、ゲーム、スマホなどの動きでも褒め言葉として使われるようだ。言われてみれば、ぬるぬる=滑らかな感じはする。ぬるぬる動く!すげー!いいよね、いいよね!となる。

ところがアニメーション的にはネガティブな意味になる。ぬるぬるはダメなアニメなの。動きのタイミングがぬるいことだから。ぬるいってのは手ぬるいとか生温いのぬるい。「動きがぬるぬる」なんて評価されたアニメーターは激怒するか落ち込んでスランプになるかだ。

アニメでのぬるぬるは、キレがない、シャキッとしてない、メリハリがない、気持ち悪い場合に言える。原画が足りなかったり、中枚数が不適切だったり、ツメてなくて均等割りになってれば、ぬるぬるになりやすい。カクカクしてなくて滑らかでも、リアルな動きや心地よい動きとは限らない。

それと、通常は24FPSの2コマ打ち(実質12FPS)でフルアニメが可能だけど、それでも原画が適切でなければ(クッションやアンチなどを無視)ぬるぬるアニメになっちゃう。そのため、実質24FPSのロトスコープはぬるぬるになりやすい。1秒あたりの枚数が多けりゃ滑らかになるとは限らないのよ。ぬるくならないように気をつけないと。

動画マンはタイムシートに従って割ってるので、よほどのヘタクソでない限りぬるぬるの原因にはならない。タイムシートに指示をした原画マンの能力不足であり、OKした作監の失態になる。ワイルドなアニメーターなら「ぬるぬる動かしてやったぜ」って自慢するだろうけど、普通はぬるぬるを目指すアニメーターはいない。

デジタルアニメではいい意味の「ヌルヌル」、手描き(アナログ)アニメでは悪い意味ってことで「ぬるぬる」よろしく。

Posted by A.e.Suck at July 10, 2012 01:16 AM