May 31, 2012
33周年
1979年5月にアニメーターになってから34年目に入った。入門当時に持参したのは「アニメーションの本」「動物の描き方」「人体のデッサン技法」の3冊。今回はアニメーターになりたての1979年に買ったアニメーター的定番書籍を思い出してみる。
ショート・ピース
アニメーターになりたての頃、先輩に勧められて買ったのが大友克洋自選作品集1「ショート・ピース」(奇想天外コミックス)。オレはマンガってほとんど読まないの。特に連載ものは毎週続けて読まなければいけないのが苦手なんだろう。だから旬のマンガやマンガ雑誌には疎いのです。でも絵で食う仕事についてるわけで、アニメーターにとって大友さんの絵は人気があった。「ショート・ピース」は実写映画みたいな印象で、とにかく絵が巧いのが衝撃だった。大友さんの高い画力が凝縮されてて「すげえマンガ」に出会ってしまった印象。以降、大友さんの本は買い続けることになった。Frank Frazetta
もうひとり、アニメーター達に注目されてたのがファンタジー・アートの巨匠フランク・フラゼッタ(1928-2010)。画集は洋書なのでそのへんじゃ売ってない。先輩に銀座のイエナってゆー洋書屋を教えてもらって買いに行った。フラゼッタの画集は1〜4まで平積みで置いてあった。当時の洋書はめちゃくちゃ高かったので、1冊だけ買うことにした。見本を見ながらどれにするか迷ったけど、ラフっぽい絵が多かった「BOOK THREE」を買った。The Art of Star Wars
これはアニメーターの定番ではないんだけど、「帝国の逆襲」公開を翌年に控えたこの年、洋書のイエナでとんでもない本を見つけてしまった。「スター・ウォーズ」1作目(エピソード4)シナリオに沿って、膨大なアート資料がギッシリ。ラルフ・マクウォーリーのコンセプト画、ジョー・ジョンストンの絵コンテ、ピーター・エレンショーのマット画、ジョン・モローのコスチューム・デザイン画…6000円くらいだったかな、でも買わずにいられなかったよー。スターログとアニメージュ
創刊当時から読んでた雑誌「スターログ」はプロになってからも引き続き購読した。インターネットのない時代、必須の雑誌だったね。当時は「スターログ」でメビウスを知った人って多いんだろうね。79年だと「エイリアン」でノストロモの宇宙服デザインだよね。創刊時から買ってた「アニメージュ」、上京後には買わなくなっちゃた。でも79年7月号だけは手元にある。初期の「アニメージュ」には「辻真先のちょっとひとこと」という連載があった。同郷の大先生、辻真先さんが読者から送られてきたシナリオを添削するというシナリオ講座だったのよ。上京前のヒマな時期に応募したシナリオが1979年7月号に採用された。通常は大先生の辛口アドバイスでシロートがコテンパンにされるのパターンなのに、出来の良い作品としてすんごい褒められた。翌年はじめに、サンライズ版「009」の打ち上げで奇しくも辻先生と話す機会があったので、そのシナリオを書いたことを打ち明けた。「ああ、覚えていますよ、そうですか、絵が描ける方だとは思いませんでした。僕は絵が描けないからシナリオを書いてますから」って言葉をいただいた。
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