December 29, 2001
シュレック
2001, 91min. 日劇プラザ(Dolby Digital) ★★★★★
面白かった~!いっぱい笑った!そして泣けた!カッツェンバーグの方針だろうけど、今回は一層PDIの持ち味でもあるアンチ・ディズニー精神が活かされてる。ギャグも残酷系、身障者系でよい!特にフィオナ救出以降のドラマは胸打たれる。芝居のさせ方も巧く、キャラクター・アニメーションの神髄って感じ。感情豊かなシュレックはもちろん魅力一杯だけど、フィオナ姫のキャラクターは秀逸!だって本来の姿もやっぱりフィオナ姫なんだもん!外見は醜くても素敵だと気付かされる。登場キャラたちの対比も絶妙。「カリ城」の風味もあるが、機械が出てこんのがいい。製作費6000万ドル、PDIがんばった!続編も期待したーい。
→imdb、日本語サイト
December 25, 2001
スパイ・ゲーム
2001, 128min. 日本劇場(Dolby Digital) ★★★
タイトルはお気に入りのyU+Co.、冒頭から緊迫度120%、トニー絶好調、飛ばすぜ!キャメラぎゅんぎゅん!壮大なストーリーをアクションとかけひきをバランスよく配列した構成は見事で、まったく飽きさせない。情無用のミュアーと感情豊かなビショップ、袂を分かちながらもつながるタフな男のシビアなドラマ。常に静と動の対比ですな。気持ちの通い方もシブイ。ブラピもよいが、レッドフォードがこーゆー役やるとはなあ。特にベイルートのエピソードはスリル満点!見せ場たっぷり、製作費9200万ドル。
→imdb、日本語サイト
スパイキッズ
2001, 88min. 丸の内ピカデリー2(Dolby Digital) ★★★★
波瀾万丈、危機また危機、気分壮快爆笑SFスパイ活劇!さーすがロドリゲス、面白~い!ゲラゲラ笑えるし、メカや仕掛けもカッコいいし、楽しませることではサービス満点。夢と願望が展開する。スパイの両親も感が鈍ってておかしいし、武闘派の姉とバカな弟のコンビも最高。ロドリゲスには欠かせないダニー・トレホやチーチも笑わせてくれるし、「ギャラクエ」のチェン中佐もいい味!親指ロボでマヌケなのがいて、楽しいことずくめ。DVDも買うぞ!製作費3500万ドル、続編も楽しみ!G.クルーニーの出番が増えるとええなあ。
→imdb、日本語サイト
December 23, 2001
ハリー・ポッターと賢者の石
2001, 152min. パンテオン(Dolby Digital) ★
製作費12500万ドルもかけた魔法映画だけあって、催眠効果満点。メインストーリーがないので、ソーサリー映画好きでも眠りに落ちる。長すぎる上、つまらなさすぎ。魔法学校と言うより、ふくろう博士の家庭教師センター。こんな学校必要か?X-メンのミュータント学校の方が説得力あった。理由も説明もなく、うやむやだらけ謎だらけ。いきあたりばったりの展開。そもそもこの映画での魔法のあり方がなってない。魔法が必要な世界観じゃないから、光と闇の葛藤がない。賢者の石も添え物で意味もない。勉強家のハーマイオニーちゃんに萌えるのが救い。
→imdb、日本語サイト
アトランティス 失われた帝国
2001, 95min. 渋谷東急2(Dolby Digital) ★
ホントにディズニー?演出はお気に入りのコンビなんだが、近年希にみる駄作。オリジナルはだめだねえ。キャラに統一感も魅力もないし、ストーリーも陳腐。アトランティス文明を、科学でなく神秘のパワーにしちまった時点で問題外。全然リアリティのない、お決まりのクリスタルパワー。こうなると何でもありだからなー。どうでもいい人が大勢死ぬ。ラストの巨人ロボ以外いいモンまったくナシ。珍しくシネスコ、製作費9000万ドル。
→imdb、日本語サイト
December 20, 2001
メメント
2000, 113min. シネクイント(Dolby Digital) ★★★
何なんだーこの映画は~!こーゆー文法は初めて見たぞ。1つの箱は倒置法で語られ、しかも箱は時間を遡って配置されている!現金に体を張れは人物達の視点で構成されてるけど、この場合主人公の記憶だ。観る側も記憶を手繰ることになるが、こんがらがることはない。結末にユージュアル・サスペクツみたいに種明かしはなく、誰を信じるかで見方が変わる。まさに映像マジック。頭悪いとついていけないかも。主人公レナードの奥さんは「ER」のドイル先生だ!製作費わずか500万ドル。
→imdb、日本語サイト
December 18, 2001
ムーラン・ルージュ
2001, 128min. 日比谷映画(Dolby Digital) ★★★★
アメリつながりで。モンマルトル上空を自在に浮遊するキャメラが素晴らしいね。ロングからのフォーカスの仕方なんて気持ちいい。編集は全編予告編か!ってくらい激しいカット割で尋常じゃないテンポ。とにかく凄い。既成曲のアレンジによる引用も見事。YOUR SONGなんて泣けちゃった。そしてクリスチャンとサティンが像の屋上で歌うシーンも素敵。月まで歌ってる!話に新鮮さはないけど、映像と美術に目が踊る。ここまで徹底して製作費5250万ドル。サントラとDVDは買い!
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December 11, 2001
ブレス・ザ・チャイルド
2000, 107min. 渋谷東急3(Dolby Digital) ★★★★
良質正統派恐怖映画。逆オーメンな話ですごーく面白い。悪夢のイメージに対して、救うってイメージもちりばめてあって、うるうるくる。地下鉄のドアを傘で開けてくれたり、車から助けてくれたり、シスター達祈ったり、神様来ちゃうし!そしてラストの振り向き、バックに鳩。キャスト充実、K.ベイシンガーがんばるし、女の子はそれっぽくてよい!そして、出てたんだC.リッチ、オイシイ〜。ダークシティのR.シーウェルの教祖は強烈だし、I.ホルム付。さすがはC.ラッセル!現代オカルトの神髄を堪能できたよ。製作費4000万ドル。続編あってもいいな。
→imdb、日本語サイト
December 07, 2001
アメリ
楽しい。こんなに笑えるとは!開巻から見事なつかみ!たちまち映画に魅了されてしまう。ジュネのアイデアの宝庫。贅沢に挿入された挿話。ちょっとしたフラッシュインサートもしっかり映像で見せる。心地よくチャーミングな音楽、絵のように美しいモンマルトルの街並み、個性的なキャラたち、アメリのオヤジ、世界を旅する小人、八百屋のあんちゃん、画家のガラス男、ハゲの修理屋。でも主人公アメリはいかにも陰湿でイジワルっぽいので好かん。綿密で計算高い確信犯だし、自立しちゃった内気さって、怖い。アメリに嫌われたら大変だ。制作費7700万フラン!
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December 04, 2001
オー・ブラザー!
2001, 121min. シネセゾン渋谷(Dolby Digital) ★★★★★
最高!笑った〜泣けた〜!勿論、下はぐっしょりだぜ、兄弟!30年代南部の大衆文化がコーエン流にフィーチャされたロードムービーの傑作!カントリー版ブルース・ブラザース!コーエン・キャラ絶好調。特にタトゥーロ、相変わらずスゴイ!牛も印象的。画調もキャラクターも秀逸だが、枝分かれしていく物語が、再び収束していく構成に感激。すべてが伏線になってて、それぞれにオチがついてる。その組み立ては尋常じゃない。そして音楽!帰りにサントラ買っちゃった。DVDも早く欲しいぞ!制作費2600万ドル!
→imdb、日本語サイト
December 01, 2001
ロードキラー
2001, 97min. ニュー東宝シネマ(Dolby Digital) ★★★★
北米でNo1になっただけあって、面白い。激突!と似たプロットだけど、バカ兄弟は戦おうとせず、怯えて逃げ回り、イジメられまくり。兄貴が「マジ怖えーぜ」って言うけど、そのシチュエーションへの展開はうまい。ラストのオチもお約束でオッケー。さすがはA.ミルチャンのリージェンシー、ハズレは少ない。主役の3人はJ.クルーニー、K.ラッセル、L.ダーンに置き換えて観ると面白い。製作費2300万ドル、お買い得。結局犯人は明かされない。続編きぼ〜ん。
→imdb、日本語サイト
November 20, 2001
エボリューション
2001, 103min. 日劇プラザ(Dolby Digital) ★★★
楽しいし、笑えるけど、ギャグにしなくても怪獣映画でいいんじゃないのかなあ。クリーチャーが強そうじゃないんだもん。ブルドッグみたいなクリーチャーはいいけど出番少なすぎ。ラプトルに羽が生えたようなやつはカッコよかった!さすがフィル・ティペット!最後のばかでかいヤツは大迫力だった。ハシゴ車で突撃もよかった。ウルトラ警備隊のリアル版って感じ。続編は希望しとこう。製作費8000万ドル。
→imdb、日本語サイト
November 10, 2001
ソードフィッシュ
2001, 99min. パンテオン(Dolby Digital) ★★★★
ビンセント・ベガにX-メンから良きパパなウルバリンと峰不二子なストーム、トラフィックなD.チードルに激シブのS.シェパード、G.リッチー組の骨太V.ジョーンズとキャストが豪華。タランティーノ風の冒頭から渋い。狼たちの午後を語るトラボルタからキャメラ引くと納得!そして衝撃の30秒!このカットだけでも見る価値あり。この30秒を境にして映画はガラっと変わる。前半はキャメラ低めでスリリング、H.ジャックマンがワーム作るシーンなんていい!H.ベリーはサービス満点だし。後半はハデな大アクションに展開。特にヘリとバスを使ったシーンは壮絶。強奪した98億ドルの使い道はテロ壊滅ときたもんだ!さすがシルバー印の製作費8000万ドル。
→imdb、日本語サイト
November 02, 2001
クローン
2001, 102min. 丸の内ピカデリー2(Dolby Digital) ★★
ディックが原作やし、G.シニーズ主演だし、そそられた。異星と戦時下ってゆースケールでかい設定だけど、誰が複製か気になるBテイストなありがち作品。でもビジュアルFXはエライ凝ってて、見応え十分。ガタカも入っとるし。途中でネタバレと思わせて、ラストはちょっと意外とゆーか、そう来たか!って感じ。親友を演じたトニー・シャルホウブは3年前に「Imposters」って映画にも出てる。
→imdb、日本語サイト
October 19, 2001
ラッシュアワー2
2001, 90min. 丸の内パンテオン(Dolby Digital) ★★
1作目は面白かったんだがなあ。文化のギャップが埋められた以上、面白さ半減。コンビのバランスがとれすぎちゃうとかえって辛い。ニセ札ネタもなんか古くさいし、ストーリーもいきあたりばったり。チャン・ツィイーが冷酷な悪役ってのも無理すぎ。尺が適度なんで、退屈することはないけど。製作費9000万ドルをかけたのは見かけだけですな。
→imdb、日本語サイト
October 06, 2001
トゥームレイダー
2001, 101min. 渋東シネタワー4(Dolby Digital) ★★
たいそーな話の割に、見せ方が貧相でちゃちく感じる。なんでこー、歯切れ悪いかなー。派手さがないのは、爆発がないから。肝心のA.ジョリー、カッコつけすぎでキャラに人間的リアリティがない。アンドロイドみてーだ。敵が手強くないからピンチもない。アシュラマンの動きもよくないし、やっつけかたもミエミエ。ロボットとのトレーニングは何か役にたつのか?カッコイイのはバイクでジャンプしながらTMPを撃つとこくらいかな。製作費8000万ドル。
→imdb、日本語サイト
September 30, 2001
スコア
2001, 122min. 日比谷映画(Dolby Digital) ★★★
デ・ニーロとブランド、ビトー・コルレオーネを演じた2人が共演の泥棒映画。典型的な話なんで、新しさはないけどエントラップメントよりは全然面白い。ミッションものとしては大ピンチもなく軽いな。デ・ニーロとE.ノートンのチームワークと駆け引きがポイントなんだが弱い。未来世紀ブラジルの水道屋が蘇るデ・ニーロの仕事ぶりは見応えある。H.ショアの音楽もカッコイイ。製作費6800万ドル。
→imdb、日本語サイト
ブロウ
2001, 123min. 日比谷スカラ座2(Dolby Digital) ★★★★
製作費3000万ドルながら、テンポもよくてよいドラマ。語りの端折り方が絶品。冒頭、コロンビアでのコカイン栽培からアメリカで売られるまでをタイトルバックで描いちゃう凄さ。父親のR.リオッタがめちゃくちゃいい!まじめだが弱いお父さん。主人公の父との関係は、娘との関係で繰り返されるのがいい。見事な二重構造。J.デップの70年代風はピッタリ。娘の面会は泣けた。
→imdb、日本語サイト
September 06, 2001
ビヨンド・ザ・マット
1999, 103min. シネマライズBF(Dolby Digital) ★★★★★
危険な仕事に挑む男と、無事を願いつつ見守る家族。ライトスタッフに通ずるものを感じたが、ドキュメンタリーなんで生々しい。しかも体を張ったエンターテインメント、プロレスだ。テリーもミックも実際ズタズタにされる。熱狂する観客とは逆に「もうやめて!見ていられない」と泣き叫ぶ。映画のクライマックス、ロイヤルランブル'99での「アイ・クイット・マッチ」は当時TVで見てたが、ミックの奥さんと子供がどんな気持ちだったかなんて考えもしなかった。後日撮影したビデオで子供が泣いたのを知ってミックは「父親失格だ」と言う。DDTの開発者として知られるJ.ロバーツのエピソードは強烈だ。ヤクに溺れスターから落ちぶれてドサ周りの日々。修復不可能な人生。聞くも涙語るも涙、あのジェイクが泣くなんて!レスラーという職業、栄光の代償は大きい。製作はR.ハワード。プロレス知らなくても魅了されるはず。
→imdb、日本語サイト
August 19, 2001
シャドウ・オブ・バンパイア
古典中の古典、ノスフェラトゥのメイキング映画。ただし吸血鬼役はホンモノさん!ってことで当時の撮影風景は忠実に再現しているものの、ゴッド・アンド・モンスターみたいな人間ドラマでなく、コミカル路線。吸血鬼役W.デフォーの怪演ぶりが超オイシイ!K.キンスキーといい勝負かも。さすがのマルコビッチも引く引く(笑)女優の血欲しさに監督のゆーこと聞いたり、我慢したり、哀愁たっぷりで笑える。しかもあのメイクだし。ウド・キアまで出てる!製作はN.ケイジ、製作費800万ドル。
→imdb
ドリヴン
1999, 117min. 渋谷東急(Dolby Digital) ★★★★
予想外の面白さだった。レースに興味なくても楽しめるコミック感覚。展示マシンで一般道チェイス、超ウルトラクラッシュ、メタノールで大爆発、現実にはありえないことを見せてくれるから映画なのだ。B.レイノルズはF.ウィリアムズばりに車椅子の闘将ぶり。スライは控えめ、ヒロインはプールでシンクロ披露のサービスぶり(笑)。河合奈保子の「けんかをやめて」みたいな、ドラマ部分のチープな楽しさ。反面、レースシーンはド迫力!ハイスピードでかなりいい出来!観ていてのけぞっちゃうショット多数。日本のシーンも必見、アレジも発見。製作費7200万ドル、よく作ったよ。→imdb、日本語サイト、VFXメイキング
August 18, 2001
DENGEKI/電撃
2001, 101min. 渋谷東急3(Dolby Digital) ★★★
海外未公開の沈黙のテロリストより100倍面白い!冒頭からおっさんアクション炸裂、一生懸命さが裏目に出るダメ刑事セガールが名誉挽回の大活躍!ドンパチ、カーチェイス、バトル、チャンバラと、刑事アクション映画の要素はしっかり盛り込んで交通整理、セラピーのオマケ付き。ダーティーハリー2とキイ・ハンターを足したような痛快さ。ヘリ、バイク、ディアブロ、トップレス、Vz61など連射系ハンドガン、など、オイシイもの続々!IT長者、汚職警官、女署長、番組司会者など登場人物も豊かで、対立構造もいい出来。エンディングの下ネタトーク歓迎。製作費3300万ドル。続編求む!
→imdb、日本語サイト
August 12, 2001
千と千尋の神隠し
2001, 125min. 日比谷スカラ座1(DLP) ★★★
冒頭からいい感じ。初めて釜爺に会いに行くシーン、オニギリを食べる横位置、追われるハク龍、ハクの名前を思い出すシーンなど、いいシーンは山ほどある。千の一生懸命な姿はよく描けているし、大量のキャラの扱いもいいし、作画レベルも高い!DVD出たら買うかも。冒険活劇を期待しとったわけじゃないけど、話がいきあたりばったりで自然につながってかないし、目的への行動が緩い。尺が長い割に、大きな見せ場に乏しい。カオナシを捨ててでも、花束のカードや川の事故など伏線をキチンと見せてほしかった。もののけ<千<ラピュタってとこかな。→imdb
August 04, 2001
パール・ハーバー
2001, 183min. 丸の内ピカデリー1(Dolby Digital) ★★
ヒコーキ映画として楽しむ。キャメラがヒコーキと一緒に飛ぶんです!キャメラが爆弾や魚雷を追っかけます!スピットファイア対メッサーシュミット、ゼロ戦対P40の空中戦の緊迫感。真珠湾攻撃も予想以上の大迫力映像で臨場感たっぷり!トラトラトラ!や円谷英二を遙かに凌ぐ。製作費1億5275万ドルかけただけある!でも3時間は長すぎ、最後のアルマゲドンのパロディはしらけるので不要。ヒコーキ乗りのドラマはありきたりで不要。戦争映画としてはもうめちゃくちゃ、全貌がまったく描けていない。日本の描写はない方がよかった。お笑い映画。南雲中将と山本長官をごっちゃにしたようなマコ岩松は滑稽だし、D.エイクロイドまで出てるし。
→imdb、日本語サイト
July 31, 2001
レクイエム・フォー・ドリーム
2000, 102min. シネセゾン渋谷(Dolby Digital) ★★★★★
凄い!完全無欠!映像が精神に染みこんでくる映画。どう撮ってるんだ!どうつないでるんだ!2つのストーリー、4つの破滅。「お笑いウルトラクイズ」を彷彿させるスノーリカムをはじめ、撮影と編集のテクニックは壮絶。しかもたった450万ドルで作られたという事実。泣けた。素晴らしいエレン・バーンステインの名演技!特に幸福と苦悩が交錯しながらの息子への独白シーンは涙なくして見られない。そしてたたみかけるラストのモンタージュ、音楽!崩壊まっしぐら。ダーレン・アロノフスキーは超天才!映画が終わっても震えと涙が止まらんかった。
→imdb、日本語サイト
July 28, 2001
ジュラシックパーク3
2001, 93min. 日本劇場(Dolby Digital) ★★★
先行オールナイト。L.ダーンが出てるとは知らんかったので、嬉しかった。今回は短い尺で濃密、テンポもいい。危機また危機で退屈させない!もう大変!走れ走れ、逃げろ逃げろ!ホッとするシーンもある。Tレックスとスピノの戦いは大迫力!ローアングルのハンディなキャメラワークが凄い。ジョンストンはスピルバーグよりも残酷かなり控えめだが、主役を恐竜より人間に置いてるし、絶妙な仕上がり。やっぱ信頼できる監督。得意の飛ぶことへのこだわり健在。低空飛行の飛行機、プテラノドンから最後のヘリまでかっこいい!CGIごく自然にもエレメントとしてシーンにフィットしてる。技術より、映画的スリルが味わえる。見せ場としてのフカンのFollowなんかも見事。猿は同じ星3つでも2つに近いが、こちらは4つに近い。製作費9,300万ドル。
→imdb、日本語サイト
July 21, 2001
PLANET OF THE APES/猿の惑星
2001, 119min. 日本劇場(Dolby Digital) ★★
先行なので日劇で観ちゃった!監督がJ.キャメロンからT.バートンに変わったことで、メイクがS.ウィンストンからR.ベイカーになったのは吉。やっぱ猿と言えばベイカーですよ、会心の出来!でも監督はバートンでなくてもなあ。確かにビジュアルとコミカルな描写はバートン風なんだが、クセがなさすぎ。冒頭は伏線なんでしっかり見せるが、バートンぽくなくて意表をつかれる。。チャールトン・ヘストンがカメオで出てるが、声が納谷悟郎でないので、気付かんかった。やっぱマルセ太郎にベイカーのエイプメイクして出てほしかった。一番気になってたオチはインパクトが弱かったなー。製作費1億ドル。
→imdb、日本語サイト
July 19, 2001
ターミネーター2:3-D
J.キャメロンとデジタル・ドメインによる70mmの3D映画をついに観た!それも日本で!3D映像自体は珍しく感じないんだが、キャメロン・ワールド全開のパワフル映像に拍手喝采!お馴染みメカの数々に、T1000も登場!銃撃されるT800やスカイネット突撃ショットなんて涙モン!もっと観たい!
→imdb
July 15, 2001
ダンジョン&ドラゴン
2000, 107min. ニュー東宝シネマ(Dolby Digital) ★★★★
製作費3500万ドルながら、話もビジュアルも満足、面白すぎ!80年代の痛快SFX大作!って感じ。ソード&ソーサリーのオイシイところを網羅してて、この種ではトップレベルの出来。ドラゴンもCGIながら、ドラゴンスレイヤーのバーミスラックスに次ぐ出来。しかも大量ドラゴンの大空中戦の迫力!J.アイアンズ全開演技、リチャード「リフラフ」オブライエンもいいとこに出てる!久々にぐっとくる映画だった。
→imdb、日本語サイト
June 29, 2001
A.I.
2001, 146min. 1.85 : 1 パンテオン(Dolby Digital) ★★
スピルバーグなら、ファンタジーの中にも科学的仕掛けに説得力があって、その融合が感動を生み出すと期待した。しかし科学や未来が曖昧、へんてこで説得力のないSFになった。水没したマンハッタンのビジュアルだけ。だからどうなの?デービッド。あんなロボットが売れるわけない。マニュアルも少なすぎ。気持ちわりーからいらねーよ、あんなもん。人間になりたきゃ、他にすることがあるだろう。製品としてなら親の気を引くようにできてなくっちゃ。気になるのはむしろテディだ。これは欲しいぞ!ピノキオのコオロギでなく、主役にすればよかったのに。「ラブモーテル」とダッチロボのジュード版雨に唄えばはいい遊び。でも9000万ドルはかけすぎ。
June 28, 2001
沈黙のテロリスト
2001, 92min. 1.85 : 1 日比谷映画(Dolby Digital) ★
日本だけの公開、沈黙シリーズ第5作目。配給会社も内容も違えどなぜかシリーズ。しかも!主演がS.セガールでアクションばりばりならまだしも、この映画はT.サイズモア主演で、セガールはand扱い。しかも仕事は爆弾処理。といっても、考えてコードを切るだけという単純作業。これで邦題の前半は嘘。期待は元IRAテロリストで爆弾のプロ、D.ホッパーにかかる。爆破の目的は恋人の釈放(笑)釈放させた女にあっさり殺されてしまう。邦題の後半も嘘。後は女が個人的復讐のために、爆破計画するだけでテロはない。甘っちょろい腰砕け映画。
June 22, 2001
ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
2001, 130min. 2.39 : 1 日本劇場(Dolby Digital) ★★
いいのはエンドクレジットと、冒頭の伝説。一番しゃべれるロック様がセリフもないとは言語道断!映画はガサツで散漫、前作のような興奮は味わえず!ツッこまれないようにテンポ速めてるよーだが、嘘だらけ。ドラマ壊しすぎキャンディアス!CGIハデなだけ、サウンドうるさいだけ!いい伏線もうやむやだし、神秘性もナシ。肝心なとこ見せない!弱っちーイムホテプは全然ダメ!ジャブローニなクソガキ不要!クライマックスのスコーピオンキングのCGIはチャチで動きも雑。『ファントムメナス』な構成もディティール不足。前作冒頭をリンクしたシーンはまずまず。製作費が1億ドルにアップしたのはキャストのギャラでしょう。
June 17, 2001
ギフト
2000, 112min. 1.85 : 1 東劇(Dolby Digital) ★★★
『デッドゾーン』風『シックスセンス』映画。ちょっと『ツイン・ピークス』入ってるかな。サムにしては珍しくサイキックなフラッシュカット多用。正攻法スリラーも手慣れたもので、風呂のシーンではわかっちゃいながらゾクッとさせられたねー。サバナロケでいい絵もいっぱい撮れてる。K.ブランシェットがいかにも霊媒師っぽくていい。うまいなぁ。殺されたねーちゃんもええね。結局キアヌ夫婦はアレだったわけだけど、真犯人とバディの件はバレバレだったぞ、ビリー・ボブ。ラストは左門豊作状態。製作費1000万ドル。
June 10, 2001
ロスト・ソウルズ
2000, 98min. 2.35 : 1 新宿武蔵野館(Dolby Digital) ★★★
ニューラインの悪魔ものが続いた。こちらはM.ライアン製作、スピルバーグの相方でお馴染みY.カミンスキー初監督の正統派オカルトだ。メインタイトルからしていい。数字は重要なキーワードだ。デザインは最近超売れっ子Garson Yu率いるyU+co。W.ライダー、前半は謎解きで後半は行動。時々悪魔に脅されながらもがんばる。悪魔待ちってのがなかなか面白い。映像も手本となるほど不気味。Fixでしっかり見せるし、派手な見せかけがないのもいい。グレート・アンバー・トーン!製作費2800万ドルに抑えたのも偉い。
June 09, 2001
リトル・ニッキー
2001, 93min. 1.85 : 1 日劇プラザ(Dolby Digital) ★
『マスク』か?『毒々モンスター』か?いや、『さるとびエッちゃん』だった。くだらなすぎ。笑うとこない。ストーリーもキャラクターもいいし、面白くなりそうなのになってない。退屈はせんが、つまらん映画。デパルマとヒッチが好きなようだが、タランティーノも顰蹙モノだし、カイテルもよく出たなぁ。なんで8000万ドルもかかったのよ?『X-MEN』より金かかってんだぜ!
June 05, 2001
トラフィック
2000, 148min. 1.85 : 1 吉祥寺セントラル(Dolby Digital) ★★★★
泣けた〜。M.ダグラスが娘を見つけたシーンと、ラスト!もう、すばらしすぎ!子供を麻薬から守る=グランドにナイター設備って発想が素敵。じーんときた!黄、青、ハイキー、3つのストーリーはどれも秀逸で映画3本分の面白さ。それが見事に交錯する巧みさ!こんなに画面に引き込まれる映画も久々だな。派手になりがちなシーンも激シブ!P.アンドリュースことS.ソダバーグによるハンディベースの撮影や、ジャンプカットの編集は、俺好みの手法だ。それが、この映画にはピッタリはまってダイナミック!配役も見事。A.アーヴィング老けたなあ。あぁ、もっかい観たい!DVDは買いだ!製作費5000万ドルは泣かせる。
June 02, 2001
JSA:Joint Security Area
2000, 110min. 2.35 : 1 吉祥寺オデヲン(Dolby SR) ★
韓国映画は初めてだ。38度線もののサスペンスってことで期待したのがつまらんかった。所詮うやむやにしたい話なのかも。なんでこの映画がメガヒットするんだ?板門店ってこんなんかぁ?敵味方を超えた男の友情ってことだが、甘いなぁ。単なる遊び仲間じゃん。兄貴って呼び合うのもヘンだし。ヒーロー不在なんだ。ヒロインはいるけど、カワイイだけで説得力ないの。キャラ的には『平成ガメラ』の中山忍より大役なのに。しかも出生の秘密もとってつけたみたいで。
May 20, 2001
メトロポリス
2001, 107min. 1.85 : 1 渋谷公会堂 ★
F.ラングの『メトロポリス』や『ブレードランナー』の系統なんだが、物語が陳腐なのに長い!85分前後でいいな。フルで動かしとるし、モブは多いしで作画は大変。でも報われない。彩度が低い上、明度まで低い。画調が暗すぎるので眠くなる。環境音も足りないし、降る速度が変わる雪も邪魔。作画レベルが高いのに、そのパワーが吸収されてしまい残念。すげーってカットも特になし(あったかもしれんが見えない)。メトロポリスは国家のようだが都市にしか見えんし、横にどうなってるのか全然わからん。主役もはっきりしないし、ティマに感情移入できない。フィフィがティマの名を知ってたり、ラジオにティマの声が流れたりツジツマもさっぱり。作画枚数15万枚、製作費10億。
May 17, 2001
ヤン・シュヴァンクマイエル[タッチ&イマジネーション-触覚と想像力]
『棺の家』(1966/10分/カラー)木槌で殴り合うんだよ、もうスラップスティック。『コストニツェ』(1970/10分/カラー)アニメちゃうやん。 『エトセトラ』(1966/7分/カラー)これは画法だけかな。退屈。『アッシャー家の崩壊』(1980/16分/モノクロ) 意外と退屈。やっぱB.プライスが出なくちゃ。『レオナルドの日記』(1972/12分/カラー)ダ・ビンチのドローイングを動かしちゃう!今回最も気に入った作品。『ドン・ファン』(1970/33分/カラー)これは人入っとるやろ〜。
May 13, 2001
セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ
2000, 88min. 1.85 : 1 シネアミューズeast ★★
オープニングが皮肉たっぷりでいい。ハリウッドにテロを仕掛けるインディーズってアイデアもいい。「テクニックなんて負け犬が使うもんだ」いや〜、S.ドーフがブッとばしてくれる。プレミンジャーですか!『栄光への脱出』のテーマが聞こえたりして。前半快調、パワー全開快進撃!もう、ゲラゲラ笑えた。特にカキ食うエキストラと、パッチアダムス襲撃。「ディレクターズカット?元から長すぎるんだよぉぉぉ」M.グリフィスの叫び!大爆笑!しかし、6500万ドルの大作「ガンプ・アゲイン」のスタジオジャックあたりから、キツくなったなぁ。映画作りたいんだろ?命賭けってもなぁ、元も子もないような。撮影しかしてねーじゃん?期待した展開とはかけ離れてしまった。製作費1000万ドル。
May 06, 2001
ハンニバル
2001, 132min. 2.35 : 1 パンテオン(Dolby Digital) ★★★
製作費8700万ドル、うーん、まさかこの手でくるとは〜!面白すぎじゃねーか。まずハトたちの演技?に驚かされる。さすが元祖ハト使いのリドリー。さて、今回のレクターは「いい人」だ。悪党退治はするわ、クラリスは助けるわ、子供におかずを分けてあげたり、G.ジャンニーニの刑事を食わずに先祖と同じ死に方をさせてあげる親切ぶり。人食いヒーローだな。レクターとクラリスが接触するまではリドリー調全開!と思いきや、一転してギャグと意表をついてきた!G.オールドマンと気付かないほど富豪のメイクがいい出来で、レクターを上回るキャラ、死に様はスナッチしてた。最高にオイシイのは、頭がフタになったセクハラ上司R.リオッタ!ありゃ反則だ、クラシックなギャグだけど笑える!脳みそむきだしにさせたら、リオッタの右に出る役者はおらん。クライマックスを、劇中最もコミカルなシーンで締めるとはさすが。プログラムはデザインがんばってたが、誤字脱字多すぎ。文字校せんのか?
April 29, 2001
スターリングラード
2001, 132min. 2.35 : 1 日比谷スカラ座1(SDDS) ★★
なんでこんな邦題つけたんだか。モス・フィルムの『スターリングラード大攻防戦』みたいな歴史絵巻でなくて、田舎の狙撃手のお話だが、動物と兵隊を一緒にすんなって。キャストも言語もアメリカ映画っぽいのが難。J.ロウとE.ハリスの狙撃屋日本一対決は見せ場だけど、卑怯なかけひき合戦と裏腹にセコさも隠せない。最前線に三角関係持ち込んだり、チープなラストにも呆れた。なーんて、ドラマはアレだが、絵の完成度は高いっ。時折ポンッ!と見せるロングショットは大パノラマで迫力十分!まさに戦場の情景そのもので説得力あった。スターリングラードの廃墟もいい感じ。タイガー戦車にはがっかりだが、冒頭のメッサーシュミットの機銃掃射(CGI)はカッコよかった。製作費7000万ドル。
April 10, 2001
スナッチ
2000, 102min. 1.85 : 1 日比谷スカラ座1(SDDS) ★★★★
新装スカラ座は最先端のええ劇場だ。サウンドも超いい。本編は、もう、めちゃめちゃ楽しい!キャラクターもキャメラも編集も。前作『ロックストック』より話がちょい複雑だけど、語り口が洗練されててテンポもいい。ガイ・リッチーがやりたいようにやれてる感じ。フラッシュカットのインサートも実に巧いし、凝縮したエピソードを手早く見せる手法は見事。サウンドトラックのアテ方もばっちし。もうぎゅんぎゅんで快適な映画。弾丸くぐりのロシア人にはデザートイーグルで激射!プログラムは、スタジオジャンプにしては力が入っててデザインに凝ったりしてた。製作費1000万ドル!
April 06, 2001
ザ・セル
2000, 109min. 2.39:1 新宿ピカデリー2(Dolby Digital) ★★★
精神融合で相手の心を探るのはバルカン人ならお手のモノだが、ここでは大掛かりな装置を使う。ちょっと『ドリームスケープ』に似た話だが、テクノロジーは進化したってことかな。映像とサウンドが素晴らしく、その画面構成には圧倒された。CGIの使い方もウマイ。キャメラの動きなんかも凝ってる。悪夢のイメージはゴージャス!ガンバルマンみたいな水槽、馬のスライス、腸の巻き取りなど楽しい悪夢が目白押し。ジェニファー・ロペスはいい女。だからって、あの逆悪夢には恐れ入る。製作費3300万ドル。『ファンタスティック・プラネット』の引用あり。
March 31, 2001
プルーフ・オブ・ライフ
2000, 135min. 2.35 : 1 吉祥寺セントラル(Dolby Digital) ★★★
ワーナーの値下げ第1作。冒頭の回想シーンの色がいい。もっといいのはラッセル・クロウ!控えめながら頼れるプロフェッショナル。メグとのラブシーンがカットされたようだが、違和感がないってことは正解だろう。望みを絶たれて絶望のどん底のメグをほっとけない、ヒーロー立ち上がる!って感じ。例によってメグの泣き芝居がグッとくる。身代金交渉なんてムダムダ。人質奪還ミッション強行。これがなかなかリアルで見応えあった!ゲリラもしっかり描かれてるし。エンドタイトルのWesカムの空撮も意味ないけどよかったー。製作費6500万ドル。
March 15, 2001
キャスト・アウェイ
2000, 143min. 1.85 : 1 日劇東宝(Dolby Digital) ★★★
日劇のはずが、運悪く日劇東宝に振り替え。偶然ヘレン・ハントが続いたが、トム・ハンクスの役者魂を見せるための映画ですな。墜落シーンは凄いけど、見せすぎって感じ。しかし、2時間半もかけて語る話にしちゃ、エピソードが少ない上単調。無人島での生活は極限的ってほどでないし、くじらさんの登場でチャチになった。ビデオテープもそんなに丈夫じゃないよ。特に帰国後のパートは気に入らない。この流れでハッピーエンドはないなあ。都合よすぎないか?アイテムの使い方はうまい。天使の翼の箱、懐中時計、特にウィルソンはよかったー。彼との別れはホロリ。製作費9000万ドル!
March 10, 2001
ペイ・フォワード[可能の王国]
2000, 123min. 1.85 : 1 吉祥寺セントラル(Dolby Digital) ★★★★
マルチ商法、ネズミ講?ちゃうねん。助けてもらったら、お礼をする代わりに別の人を助ける。本当に世界を変えたかった少年の発想はいいとこ突いてる。それぞれ抱えてる痛みがヒシヒシ伝わりからこそ、それを癒すことの尊さを訴える、小さくて豊かな物語。泣きました。トレバー君がWCWマニアなのはワーナーだし。スティングやゴールドバーグも出てた。しかし、むこーじゃプロレスをあーやって見てんのか。ミミ・レダー作品だけに、『ER』もしっかりでてくるし、ルイス先生のダメ姉クロエも登場。そのキャラをそのまま母役ヘレン・ハントが引き継いでいる。難しいキャラながらケビン・スペイシーの巧いこと!教え子のトレバー少年の言葉に動かされるシモネット先生。おぉ、くたびれたアンジー・ディキンスン!もう、涙とまんねぇっす。ラストはミミ・レダー節炸裂。製作費4000万ドル。
March 08, 2001
処刑人
1999, 110min. 2.35 : 1 渋谷東急3(Dolby Digital) ★★★
人が作った法よりも、神が作った法が上回る。のうのうとはびこる悪党を銃で成敗するアイリッシュの兄弟。ロープ持っててよかったね、兄貴!WWFでも兄弟タッグは人気だ。さらに兄弟と祈りとタトゥーでつながる謎の殺人鬼。映画をひっぱるのは、理解を超えた超キレ者FBI捜査官ウィレム・デフォー。パワー全開だ!犯行はそのままの時間軸で見せずに、後でデフォーが検証して明らかにしていくシーンが見事。しっかり学ぼう地元警察。最後は彼らがヒーローなのかどうかを考えさせるしめくくりだ。なーに、悪党ブッ殺してキモチよきゃいーのさっ。こりゃー続編欲しいぞ。
March 06, 2001
BROTHER
2001, 114min. 1.85 : 1 丸の内ピカデリー2(Dolby Digital) ★★
製作費1200万ドル。ドンパチが凄い迫力。映画は一直線に、冷たく静かな語り口でがんがん突き進む。「いいショット」がいくつかある。例えば、フカンめの引きで暗闇の撃ち合いの場面。パッと光る銃火に浮かび上がる人影。地元ヤクザを破竹の勢いで全滅させる日本ヤクザ。殺伐とした戦争ばっかで収入源やシマが曖昧、あれだけハデに殺し合いが続くのに、警察が出てこない。もう、思うがまま、やりたい放題。こんなんでいいの?ってくらい。そして最後はやっぱり破滅。黒人のデニーがいつもカモられるのが面白い。これが粋なオチにつながる。彼も「弟」なんだな、と。このオチまでとにかくひっぱったわけだ。このデニー、どっかで見たと思ったら、『ER』でベントン先生にいびられて自殺したインターンじゃねーか。
February 23, 2001
ギャラクシー・クエスト
1999, 102min. シネクイント(Dolby Digital) ★★★★
製作費4500万ドルもかけただけはある。『宇宙大作戦』のパロディ?確かにエッセンスはあるが、そんな簡単なもんではない!『The Adventures of Captain Zoom in Outer Space』ってゆー誰も知らない1995年のTVムービーのリメイクなんだが、本格宇宙大活劇なんだ!手を抜かず、ディールまでしっかり作り込んでる。クダラナイ系じゃなく、立派なSF映画でヒューゴー賞も受賞してるぜ。アイロニカル・コメディとしてのシナリオの出来もかなりのもので、ヒーロー伝説としてはアンブレイカブルなど目じゃない。気分爽快、スミからスミまでたまりません!これだけよく出来た映画って、滅多にない。UIPは、日本語吹き替え版を作って去年の夏休みに全国ロードショーすべきだった!人間の姿に慣れない、サーミアンたちもめっちゃキュート!ミニチュア特撮もVFXも超一流!もちろん、S.ウィーバーの谷間も!「Never give up... Never Surrender!」
February 16, 2001
時の支配者
1980, 78min. 1.66 : 1 シネアミューズ ★★
配給したケーブルホーグの宣材資料では、原画メビウスとなってるが、これは間違い。メビウスが担当したのは脚色、キャラクターデザイン、ストーリーボード。制作当時、スターログ日本語版でこの映画を知ってわくわくしたもんだ。最初字幕ナシのビデオでちんぷんかんぷん。その後、TVで吹き替え版を見た。日本では初公開ってことだが、たしか東映配給で都内で1日だけ上映してるはずよ。ラルー作品では『ファンタスティック・プラネット』に比べると、こっちはマイナーだけど、でもいいもんはやっぱいいというか、メビウスのキャラが動いてるってだけでもありがたいのだ。『エイリアン』や『トロン』は設定だけだったからねー。キャメラ引き気味のまったりとした動きもいいしね。でもセルBookとか背景で技術的にチープさを感じる。英題:Time Masters
February 12, 2001
アヴァロン
2001, 106min. 1.85 : 1 渋谷東急3(Dolby Digital) ★
冒頭、ポーランドの成果が出ていい感じと思ったら、おもちゃみたいなCGIのヘリが出てきては興ざめ。死に方が2Dになってあとパーティクルってのも連続性がないし。ゲーム世界の仮想現実って、ニルヴァーナやイグジステンズがすでにあるわけで、徹底してもらわないと。現実との関わりも。マトリックスって逆手本もあるし。だいたいゲームして金貰えるシステムがよくわからん。ラストは尻切れでやだし。1つ1つのショットの完成度は高いけど、斬新なものがないんだ。「ウィザードリイ」の要素に「大戦略」フィールド。20年前にこんな世界にはまったなぁって感じ。懐古趣味だな。コマンドラインインターフェイスは今にすればスタイリッシュに映るだけで新しいものではない。音楽がやたらかっちょいいのと、街がレイヤーになるってのはいい。製作費800万ドル。
February 10, 2001
アンブレイカブル
2000, 107min. 2.39 : 1 パンテオン(SDDS) ★★★
誕生編っても、物語の展開が遅い上、窮屈な長回しと反転・間接ショットが多くて、謎かけ過剰。B.ウィリスの暗い演技も辛いが、能力に気づくのが遅すぎる。人に言われるまで病気したことないって気づかんとは。ヒーローものとしては斬新。世界一頑丈な男と世界一壊れやすい男との対立の構図もいい。『デッドゾーン』的能力と『ユージュアル・サスペクツ』的サプライズ。画廊の絵はヘタ!リアルならAlex Rossに頼めばよかったのに。製作費4000万ドル中、脚本料が500万ドルだって!
February 03, 2001
追撃者
2000, 103min. 2.35 : 1 日比谷映画(Dolby Digital) ★★
映像は渋めのハイコンでシャープ、時間圧縮の編集もかっちょいい。原題が同じ『狙撃者』(1971)のリメイク、オリジナルで主役を演じたM.ケインも競演で安心。妹の葬式のため、5年ぶりに寅次郎が故郷柴又に帰って来た。音沙汰もなかったヤクザな兄に、堅気な義弟・博は冷たいが、甥の満男は信頼を寄せる。「あの真面目なさくらが酒気帯び運転で事故死なんておかしい」と独自に調査を始める寅。しかし柴又はすっかり変わっていた。タコ社長はネットビジネスに乗り出して今や実業家。昔のままなのは自分だけだ。寅はとらやの防犯ビデオの記録から、さくらがCD-ROMを受け取ったのを見つけた。さくらの部屋からそのCD-ROMを見つけた寅は、iMACを操作してMOVを再生する。そこには源公にレイプされる満男が!それにタコ社長がからんでいた…あとは復讐、皆殺し。そーゆーヘンな映画。製作費4000万ドル。スライvsM.ロークの打撃戦も見物。
February 02, 2001
ファイナル・デスティネーション
2000, 98min. 1.85 : 1 みゆき座(Dolby Digital) ★★★★
事故は必然ってことが前提のギャグ映画。予知夢はともかく、飛行機事故を免れちゃったからさぁ大変。せっかくデザインされた運命が狂っちゃったからね。生き残ったやつらは座席順、つまり本来死ぬはずだった順番に事故死していく。自分が次に事故死するのがわかってるんだ。どうする?そりゃ面白い!事故が向こうからやってくる。犯人なんていない、事故だもん。死ぬまで徹底的に追っかけてくる事故。世界中の偶然が集まって、強引で残虐な事故死はかなり笑える。「全員集合」の前半の大がかりなコントに、往年のMGMアニメみたいなノリ!何とか生き残ろうと、必死になって事故に注意する姿も、事故から逃げようとするのも面白い。最後のオチも笑った。製作費2300万ドル、アイデアの勝利。
January 21, 2001
オーロラの彼方へ
2000, 118min. 2.35 : 1 日比谷シャンテ3(Dolby Digital) ★★★
太陽のフレアなめで地球にぐぅ〜ン!と始まる。オヤジの仕事はレスキュー好きには嬉しい消防士。いい意味で予想を裏切る展開と、凝った映像表現。現在と過去がつながって、リアルタイムに反映される面白さ。過去をいじってしまったために歴史が変わる。これに殺人鬼と野球がからむ。過去をいじった本人が何の影響も受けずに複数の歴史を共有している不自然さを除けば、話はよくできてる。タバコをやめて肺ガンにならなかったてのはちょっとなぁ。YaHooネタも笑った。制作費3100万ドル。
January 14, 2001
ゴッド・アンド・モンスター
1998, 106min. 2.39 : 1 銀座テアトルシネマ(Dolby Stereo) ★★★★
『フランケンシュタイン』や『フランケンシュタインの花嫁』の監督、ジェームズ・ホエールの晩年を描いたこの映画、そろそろ公開だっけかな?調べてみると昨年からレイト公開中だった。急遽、銀座へ。制作費350万ドルの低予算映画ながら、2つのオスカー(脚色賞、主演男優賞)の他、数々の賞に輝く1998年の映画がやっと公開。ホモ監督ホエールを演じるホモ俳優マッケランの演技を越えた演技が凄い!彼に惹かれるB.ブレイザーも、メイドもいい。同性愛を肯定する自分と、拭いきれない過去、そして救済。フランケンシュタインの物語と一致してくる哀しさもよい。抽象シーンが最後に完成する充実感。つまり全部いいのよ!ムダがない!
January 07, 2001
13デイズ
2000, 145min. 1.85 : 1 吉祥寺セントラル(Dolby Digital) ★★★
キューバ危機を描いた映画ってことで、無視できなかった。同じ原作に基づく1974年のTVドラマ『10月のミサイル』はNHKで前後編で吹き替え放送された。ExCOMの会議に絞ったスリリングな密室劇で、JFKはW.ディベイン、RFKはM.シーン。当時小学生ながら、手に汗握った記憶がある。今回の映画版は格調の高さ、重厚さ、サスペンスでは及ばない。会議室以外に全体を捉えスケール大きめのエンターテインメント狙い。無理して大作に仕上げんくても…映像もリアルで、状況はわかりやすくなってる。3大ネットワークで事態を国民に告げる直前、「時間がないんだ」とイラだつJFKを、K.コストナーの補佐官が「あなたは大統領だ、みんなが待つ」とリラックスさせるあたりはさすが。制作費8000万ドル。
January 03, 2001
バーティカル・リミット
2000, 124min. 1.85 : 1 パンテオン(SDDS) ★
制作費1億ドルもかけて、ひどい映画。撮影すんの大変だったと思う。でも、苦労は報われず、恐怖感もナシ。不快なだけ。命を粗末にする人たちに同情も感情移入もできない。1人救助するのに、6人が死ぬ。割合わんでしょ。DS9のDr.ベシアなんて、途中で忘れられてるもの。自分の妹だけ助けて目的達成。肺水腫の妹助けて、どーやって帰ったんだ?帰りはもっと大変なはずなのに省略すんなって。ヤマトじゃないんだから。『クリフハンガー』や『アイガーサンクション』には遠く及ばぬ。