彼は疑いなく「ヘヴィ・メタル」のイラストレーターの中で最高のアーティストだ。私は今でも彼の作品に衝撃を受け続けている〜リドリー・スコット
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ジャン・ジロー・メビウス Jean 'Moebius' Giraud(1938-) |
Filmography |
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A.e.Suckは語るメビウスは、フランスのコミック界の巨匠ね。最初に知ったのは、ツルモトルームの「日本版スターログ」でしたね。本名はジャン・ジローで、ペンネームがメビウス。「日本版スターログ」は世界のファンタジー・アートも積極的に日本に紹介してて。その頃はバンド・デ・シネなんて言葉はなくって、フレンチ・コミックとか言ってたなあ。メビウスのコミックと言うよりはアート的な完成度の高さに、イッパツでファンになりましたよ。うまいのよ、絵が。ラフも線画も彩色したのもぜんぶ!タッチなんかめっちゃ豊富で。私も影の描き方なんか影響受けたなぁ。「Metal Hurlunt」って雑誌に描いてて、それが「HEAVY METAL」としてUSでも出版されると一躍有名になった。マーヴェルやDCコミックも描いてますよ。私も「Silver Surfer」を持ってる。洋書のイエナとかで何冊か買ったけど、高いの。もちろん、今も現役ですよ。おっと、映画との関わりは、何と言ってもA.ホドロフスキーが「デューン砂の惑星」のストーリーボードを頼んだのが始まりですわ。D.リンチのじゃないよ、70年代だから。結局製作中止になっちゃたけど、D.オバノンと知り合ったことで、R.スコットの「エイリアン」にもつながったし。メビウスはノストロモのコスチューム・デザインを担当したんだ。オバノンとは「the long tomorrow」って作品を発表してて、この作品が「ブレードランナー」の参考になった。R.スコットもメビウスの大ファンなんだよ。ルネ・ラルーと作った「時の支配者」では脚色、ストーリーボード、キャラクターデザインを手がけてる。メビウスの絵が動くってんで、そりゃ衝撃だったな。「ヘヴィ・メタル」のアニメ版の「ターナ」の章で、F.フラゼッタのキャラが動くってのとはワケが違うもん。もう、メビウスの絵そのまんま。作画はハンガリーのスタジオなんだけど、よくがんばってたよ。うまくはないけどさ。 「トロン」や「ウィロー」でもコスチュームデザインを担当したよね。いつの間にかコスチュームの人になってたんだけど、J.キャメロンの「アビス」ではNTIのデザインを担当したんだ。でも、実際映画に登場したのはJ.バーグがリライトしたデザインだけどね。最近だと「フィフス・エレメント」かな。メビウス自身、R.ベッソンの「最後の戦い」を評価しててね。ベッソンの依頼で「フィフス」のデザインチームに特別参加したんだ。 |