December 30, 2010
トロン:レガシー
ディズニーデジタル3D、ドルビーデジタル7.1、メガネはXpanDで見た。28年もたって、1億7000万ドルもかけて完成したおそろしく退屈な続編。前作トロンも話は大したことないけど、斬新な映像たっぷりの画期的な映画ってことで1000倍マシ。CGIが17分しかなくても価値があった。今作は3Dつっても第2幕のデジタル世界だけ。第1幕/第3幕/エンドクレジットは普通の映画なのでメガネいらんし。字幕だけ立体って、嬉しないどころか騙された感すらする。「2Dで撮影された部分もメガネをかけてご覧ください」って言われるけど、スパイキッズ3-Dやスーパーマン リターンズ IMAX 3Dみたいに「ここからメガネかけてね」でええやん。冒頭のナレーション"The Grid. A digital frontier."は「デジタル最先端」て訳だったけど、"Space, The final frontier."のモジリでしょ。と思ったら、ホラキタJJ版スター・トレック。話は前作の数年後から始まる。1989年なんでMacPlusが置いてあったりしてね。3Dメガネ必須のデジタル世界「グリッド」は、3色しかなく地味で殺風景な印象。もっと色味が欲しいところ。現実シーンの2D映像の方がはるかに鮮やかできれい。28年前のコンピュータ内だからこんなもんかね。当然ローカルでスタンドアローンだから設定が広がりようもない。続編でなくてリメイクでよかったじゃん。突然グリッドに行っちゃって、28年ぶりに父子再会。「パパ?」「久しぶり。大きくなったな」って、、、アホくさ!語り口は、あとでわかりにくく説明するからとりあえず見とけってスタンスだが、コンピュータが身近になった今では、話の陳腐さを隠せない。プログラムたち、前作はメビウスによる回路モチーフのデザインでリスワークがカッコよかったが、今回はモーキャプ用スーツみたいで恥ずかしい。前作のオマージュでリメイクされたものではライト・サイクルにがっかり。直線的な動きも直感的な操作もない。グリッド・ゲームのくせにグリッドねえし、これじゃただのバイクチェイスじゃん。トロンはタイトルロールのクセに目立たない。フリンのJ.ブリッジス同様、前作と同じB.ボックスライトナーが演じてるのが救い。若い頃のフリンはCGIキャラだけど。ハウス先生んとこの13番を初めてスクリーンで見た。音楽は聞いたような曲ばっかでうるさいだけだったけど、「Separate Ways」と「Sweet Dreams」にはヤラレタ!
December 22, 2010
キック・アス
ただのヒーローコメディじゃなく、実はすげえハードでバイオレントなドラマで大満足。笑いもあるけど、シビアな描写にも力はいってる。後半なんかすげえシーンがバンバン、かなーりショッキング。こんな傑作が都内でシネセゾン渋谷だけなんてどうよ!しかも字幕が読みにくい!主人公のモデルはピーター・パーカーかな。普通の人がヒーローになったら、怖いし痛いし熱いし、常に命懸け。そして人々が見て見ぬふりをする理由を学ぶ。ビッグ・ダディ&ヒット・ガール親子は見た通りバットマン&ロビンがモチーフ。その過去をモンタージュしたモーションコミックがカッコイイ。ビッグ・ダディはダニエル・クレイグとマーク・ウォールバーグも候補だったが、ニコラス・ケイジで大正解!ピッタリはまってたな。ヒット・ガールは本作のツボ。「夕陽のガンマン」で登場し、高度な戦闘力でギャング達を情無用に殺しまくる11歳のお子様ヒロイン!ヤバすぎキャラでスタジオが出資できず、2800万ドルのバジェットを自力で調達したとのこと。萌えないはずがない。レッドミストのキャラも見事。ザンダー・バークレーが出てたのも嬉しい。UKは15、USはR、日本はR15+。いい締め方だったんで、続編もすげー楽しみ!
December 03, 2010
シュレック フォーエバー
渡されたメガネが明るくて軽いドルビー3Dだったのでよかった。3Dなので吹替え版、いつものキャスト。前作もそうだけど、もうやることないっしょ。カタギな営みの繰り返しに嫌気がさしたシュレックが、一旦リセットしてパラレルワールドで本当の幸せを再確認する話。だから結末も予想できるし、共感できる部分もなかった。めでたくモンスターに戻ったシュレックだけど、1作目ほどのインパクトはなく、ランプルスティルスキンの方が印象に残る。劇団ひとりも熱演。シリーズの幕引きとしてはトイ・ストーリー3の足元にも及ばず…。ただしエンディングは今回出番のなかったキャラも顔見せするのでカーテンコールのようで救われた。バジェット1億6500万ドル。
December 01, 2010
SPACE BATTLESHIP ヤマト
冒頭からJJ版スター・トレックそっくりの展開。「無限に広がる大宇宙」がささきいさおの声とは意表つかれた。かなりの部分でオリジナル版ヤマトとそっくりだが、実写だとどうにも滑稽で、観てて小っぱずかしくなる。アニメのコスプレでシリアスな芝居してもパロディにしか見えない。もっと変えちゃえばよかったのに。コスモクリーナーDが出てこないので、結局どうなったのかよくわからん。予告では73日だった滅亡リミットが劇中では1年弱だった。目的地に着いた時、滅亡まであと何日かわかってた人はいないだろう。リミットがどうでもよくなってるので緊迫しない。目的地に行くまでなら語りやすいけど、行って帰って来る話は復路が難しい。タイタンの戦いはそのへん、うまくやってた。意外にもさらばの引用が多かったが、山本の腕がキャノピーからはみ出たりしないので安心。ギャラクティカの影響も濃い。森雪はスターバックでブラックタイガーはヴァイパー。ガミラスの兵器はサイロン母艦だがガミラス兵は生命体8472なCGIキャラ。沖田艦長はアダマ艦長と同じ手を使う。被弾したスターバックをアポロが救出に行くシーンも再現。アナライザーにはびっくり、声も同じ。コスモゼロのユニットなのがR2ライクでいいけど、戦闘形態はこわ〜。真田さん、しゃべり方がアニメ版そっくりで笑える。ヤマトクルーは公募で訓練もないためか、女性率が高い。半数近いかも。しかもレベル高いのでヤマト史上最もハッピーな旅。帰還したのは37名だったはずだが、退艦したのは12名ってどゆこと?発進シーンは破片と煙が少なくイマイチ。ヤマトの表面処理に違和感あった。第1艦橋はこんくらいだよね、納得の広さでよかった。でも艦内は緊張感に欠ける。爆発が起こっても消火しないし、修理の描写もない。ショックカノン速っ!第3艦橋以外大きなダメージがなく、ボロボロの姿は帰還後だけ。ドメルは出てこないけど戦術にオマージュを感じた。バジェット20億円。
November 09, 2010
マチェーテ
ダニー・トレホの主演映画ってだけでもすげーんだが、70年代の東映調活劇魂!楽しかった。バイオレンスとエロと社会問題!プログラム・ピクチュアなんだからこれでいい。プロローグから強烈だし、オープニングもカッコイイ。前半はナタブッタ斬り。噴き出す血しぶき、転がる頭。後半はお楽しみ大銃撃戦!グラインドハウスのフェイクトレーラーを踏襲したショットもちゃんとあって。2003年以降Vシネ一筋だったセガールが復活して、デニーロと同じ映画に出るとはね。両者とも貫禄でまくり。セガールが初悪役ならデニーロはタクシーを運転。神父のチーチ・マリンとナッシュ・ブリッジスで相棒だったドン・ジョンソン超極悪人。リンジー・ローハンはわずか3日の撮影ながらオッパイ丸出し、ジェシカちゃんも全裸だし、ミシェル・ロドリゲスは3倍オイシイ。ダニー・トレホ、66歳にして役得ええなあ。ダリル・サバラとチーチ・マリンが別役だしスパイキッズシリーズのマチェーテおじさんとは別人だった。ネットワークの設定がよかった。特に病院関係、厨房関係。忘れられないブースのセキュリティ達。刺客のトム・サヴィーニはどうなった?バジェット1,050万ドル、USはR、日本はR18+。プログラム作ってないって、事情がありそうだな。
→imdb、imfdb、予告、予告(fake)、日本語サイト
October 22, 2010
ナイト&デイ
トム・クルーズはソルトよりこっち演りたかったわけね。わかる気がする。ボンドさん寄りお色気スパイアクションに誘ったのはC.ディアス。ソルトのシナリオはアンジー用に書き直された。そのアンジーとツーリストで初共演するかと思ったら、そのシナリオはジョニデ用に書き直された。トムクル1m70、ディアス1m75。映画の中では同じくらいのジューンとロイ、ぶつかって出会うのはベタすぎ…と思ったら意味があった。乗客乗務員が全員刺客のB727内でアクションが絶妙に展開。列車、車、バイク、牛!一般人がスパイ戦に巻き込まれるドキドキワクワク大冒険。ロイの「安全=死」って警告に従って「危険=生存」を選ぶジューン。「一緒なら生存率アップ」から「一緒なら自分も強くなれる」って変化が面白い。反復の構成や、意識喪失の間に進展させる省略・時間推移の見せ方がうまい。ラストは逆転してジューン主導、夢を実現させるラストが気持ちいい。ジューンがグロックで遊んでたら次にオーストリア行ったり、ロイが両手のMP7撃ち尽くしたところで、ジューンがマガジン2コ用意してたり。覚えてよかったフーディーニの手。マクガフィンはゼフィー。続編対策で後日談でもプリクエルでも作れそう。バジェット1億1,700万ドル、USはPG-13。ホール&オーツの「プライベート・アイズ」懐かしい。
→imdb、imfdb、VFX、予告、日本語サイト、スペシャルサイト
October 05, 2010
アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ
映画には訃報を伝えるフジの実況トリオの他、セナの最後の車載映像がある。セーフティーカーがアウトし、タンブレロ〜トサ〜アクアミネラリ〜リバッツァ〜シケイン〜タンブレロ。これまでもセナの伝記番組はいくつも制作されてるが、劇場用ドキュメンタリーは初。しかもワーキング・タイトル製作のユニヴァーサル映画。初めて見る映画なのにめちゃくちゃ懐かしかった。多くは見覚えのある映像で、自分の記憶をより鮮明にすることでセナの人物像を再認識できる。映像から思い出したことはセナ以外にもたくさんあった。編集にストーリー性をもたせてあってドラマティックだった。まあ、F1レーサーの中でもセナの10年は特に劇的なんだけどね。プロストの存在は欠かせないが、悪役っぽく見えちゃう。そのプロストもやがて…って感じにはなってるけど。高桐唯詩の原稿を城達也のNAでのせたい。画質や音質には難がある。そりゃソースが映画用でなくTVのアーカイブだもん、アナログSD映像のブローアップは辛い。DVDならまだしも、F1ファンでなければスクリーンは厳しい。昭和シェルのCM懐かしすぎ。あと岡田美里、桜井淑敏、バレストル会長、Dr.ワトキンス!バリチェロ若っ。
October 01, 2010
ヒックとドラゴン 3D
2010, 105min. TOHOシネマズ六本木1 ★★★★★
3Dで観たいわけでも吹替えで観たいわけでもなかったが、すげーよかった!期待以上のいい映画で満足。物語、キャラクター、世界観、動き、セリフ、デザイン、演出、すべて気に入った。どのシーンも緻密で素晴らしい出来映えで感動したし、泣けた。終映後は拍手がおきたよ。BDは買いだな。ドリームワークスにディズニー育ちの監督を招いて成功するというのも皮肉だなあ。それでもディズニーでは描かないシビアな世界がしっかり描かれる。誰からも認められないけどクリエイティブな男子が真実を見つけ、活躍し、誤りを正し、新しい歴史を築く流れに夢中になれないわけがない。ヒックはドラゴンとの絆が強くなるほどオヤジとの亀裂が深まる展開の巧みさ。強敵を倒すのに代償を払うのも独特な描写で好感がもてる。個性豊かな同期達も現代的。ガヤではなく、それぞれに見せ場や持ち味がちゃんと描かれている。人とドラゴン、言葉を使わずに交流し、濃い関係になっていく様子はアニメーションの見せ所。特にヒックとナイト・フューリーが絵を描くシーンから、接触するカットは感動的。殺さないことの尊さがにじみ出る。ナイト・フューリーの名前はトゥースでなく原作どおりトゥースレスにすればよかったのに。ヒックのキャラクターアニメーションは精巧で、特に表情の豊かさは見事。親近感湧いたー。ドラゴンに乗って空を飛び回る描写は、エラゴンやアバターにも負けてない。アスティの飛行時は髪がなびいて顔見えたり!攻撃を正当化する視点は、TOS「地底怪獣ホルタ」の引用とのこと。入植民と先住鉱物ホルタか、確かに。バジェットは1億6,500万ドル。
September 27, 2010
エクスペンダブルズ
ロッキー&ランボーシリーズを除けば、スライにとってステイン・アライブ以来17年ぶりの監督作。ランボー 最後の戦場より表現はおとなしめだが、ボディカウントは大幅更新。首チョンパや血しぶきもあるにはあるけど、狙いはアンサンブルと近接戦。ハンドガン+ナイフ+肉弾戦でCQCたっぷり。マーシャルアーツあり、プロレスあり。元WWF王者、元UFC王者、元PRIDE王者の競演。ラングレン対ジェット・リー、オースチン対スライの夢の対決。64歳のスライはオースチンとの撮影で首を骨折した他、13箇所を負傷。タフな出演者達も身体を張ってるのが伺えて迫力あった。演技より体力とチームワーク。キャラクター描写はほとんどなく、観客が俳優に持っているイメージのままって感じ。ある意味サービス満点。特にオースチンよかった!続編で復活希望。ドゥカティ・デスモセディチRRを駆るJ.ステイサムはオイシイのに、B&T MP9を撃つJ.リーはちょっと気の毒。チームの専用機はレシプロ双発の水陸両用飛行艇HU-16アルバトロス、カッコイイ。機種から頭出して桟橋急襲、お見事。スライはM-4カスタムのNoveske Diplomatの他、レトロなシングルアクションのコルトも使ったり。T.クルーズの銃は、プレデターズでA.ブロディも使ってたAA-12、フルオートショットガンのド迫力。パイロもたっぷり。バジェットは6,000万ドルの予算をオーバーして8,000万ドル、USはR、日本はR-15+。
September 01, 2010
特攻野郎Aチーム THE MOVIE
B級ちゃうよ、失礼な。バジェット1億1000万ドルの超イベントムービーなのだ。TVシリーズは好きではなかったけど、監督がJ.カーナハンなら観ないわけにはいかない。カーナハンらしい遊び心いっぱいの娯楽大作だった。カットバックやインサートもたっぷり。リドリーとトニーのスコット兄弟が製作だったのは知らんかった。AチームとCIA、国防総省、ブラックフォレストが絡みながらの展開もよくできてる。あのテーマがいいところで流れる〜。軍事作戦ではないものの、現実離れしたミッションの数々はどれも面白かった。冒頭のヘリチェイス、国境越えの劇的なF-22の迎撃、オスプレイでのドッキリ強奪、C-130対MQ-9リーパーのドッグファイト…どれもCGIながら上出来。空飛ぶエイブラムス戦車には笑うしかない。ドイツの精神病院で3D映画上映会のシーンも笑った。このノリがいいのよ。レジー・バークレイとスターバックはTV版クレイジーモンキーとフェイスマンを思わせるけど、なんとエンドロール後にまさかのカメオ。J.ビールが終始制服で全くエロくないのは×。B.ウィリスがハンニバル候補だったようだが、知的さに欠けるのでL.ニーソンで正解。マードックはW.ハレルソンでもよかったかも。USはPG-13。
August 26, 2010
海からの使者
劇場はちょっとわかりにくい下北沢のトリウッド、47席のミニシアターで料金は600円。DVD上映。淡路島の八百屋さんが1人でコツコツと6年もかけて、Photoshopで手描きした8分の短編。作画クオリティはアマチュアとしては極限に挑んだって感じ、オマージュの再構築なんだけどね。淡路島の街破壊は爽快。メカも人物もよく描けてるとは思うけど、キャラクターのセリフが字幕なのが残念。WEBと違って劇場なのでリッチさに欠けるし、キャラに感情移入できない。結果、せっかくの絵が音に負けちゃってる。
August 01, 2010
ソルト
2010, 100min.新宿バルト9 S8 Dolby Digital Cinema ★★★★
カートの当初の脚本ではトム・クルーズを想定してたようだが女性に変更、これ正解だったねえ。ちょっとウルトラヴァイオレット似だが、アンジーのイヴリン・ソルトはリアルで生々しく強烈だ。KAプログラムで訓練された優等生だからね、ジェームズ・ボンドやイーサン・ハントにも負けてないぞ。肉体と頭脳を駆使する行動派だからジェイソン・ボーンのライバルだな。高度な戦闘能力には驚かされた。電光石火の肉弾戦で、SWATもシークレットサービスも軽くあしらわれちゃうぞ。序盤からチェイスシーンがすげえ。久々に興奮したよ、こんなアクション。ふんだんな銃器や近接戦闘にカートの嗜好がよく出てた。セイバートゥースはともかく、イヴが二重スパイなのかはっきりしないまま、スピーディーなストーリー展開と見応えのあるアクションの連続で翻弄された。さすがフィリップ・ノイス、次第に真相が見えきて目が離せない。久々に骨のあるアクション映画だった。ラストも超カッコイイ締め方。続編みた〜い!バジェットは1億1000万ドル、USはPG-13。
July 29, 2010
ゾンビランド
オープニングタイトルのスーパースローがすげえ。そんだけ。ショーン・オブ・ザ・デッドにインスパイアされたそうだが演出にセンスがない。ゾンビ好きが作った映画ではないので、ロメロへのリスペクトもない。ゾンビ設定は28日後...を参考にしてるので死者でなく感染者。道中、遠景にゾンビの姿はない。コメディ映画としてもゾンビ映画としても満足できんかった。ウディ・ハレルソンのおかげでロードムービーにつきあっていけるし、ビル・マーレイの家で本人とゴーストバスターズごっこなんてめっちゃ楽しいけど。あと406萌え!目指すは西の果てパシフィックランド。ゾンビがいない場所を目指すのはロメロのサバイバル・オブ・ザ・デッドと同じだが、この遊園地にゾンビがいない根拠はない。楽しいゾンビ狩りの舞台としては面白かったけどサスペンスはない。生き延びたところで名乗るのはプレデターズもそうだったな。ゾンビランドで生き残るためのルールは怒りの荒野でのガンマンの心得に通じるものがあるが、32のルールのうちたった10しかでてこないのは残念すぎる。だったら最初から10カ条でいいじゃん。バジェットは2360万ドル、USはR、日本はR15+。続編は3Dで来年公開。
July 24, 2010
インセプション
メメントとインソムニアを足しても5000万ドルだったバジェットは2億ドルに。JRのロゴが誇らしげな新幹線、京都で降りたらそこは東京〜。ドリームチームのスポンサーは斎藤。見る夢はなぜかトンデモ日本だが、ミッションのためには航空会社まで買っちゃう大金持ち。電話もちゃんとしてくれた。夢の階層、狼男アメリカンは2層だったが、こちらは3層+虚無。階層が深くなっても時間以外特徴はないけど…。夢世界のデザインはアリアドネちゃん、練習はよかったけど本番はフツーすぎ。実はコブの謎に迫る観客視点の質問役。虚無のデザインはコブ、一番の見所。夢から情報を盗むのはザ・セルだが、夢に侵入して現実を変えるのはドリームスケープ。チームにしたのは新鮮だが、潜在意識に植え付けるのは難しい。オレだったら起きた時覚えてなかったり、一部が思い出せなかったりするけど、スケアクロウなら大丈夫。オヤジのメッセージは強烈だったし。コブ嫁のモル役マリオン・コティヤールよかったー。裏ストーリーが、気持ちよく表と絡んだ。ミッションの遂行と共にコブの過去が明かになっていく構成はさすが。メインストーリーをサイドストーリーに見せかける巧みさ。ラストのコマは回転がゆるくなったところを見せなきゃよかったのに。音楽がシャッター・アイランドぽく、使い方はダークナイトぽかった。USはPG-13。
July 18, 2010
プレデターズ
R.ロドリゲス版プレデター2。クラシック・プレデターが23年ぶりに登場するよ。タイトルは地球から召還されたハンター達も指す。つまり地球代表のプレデターたち。犬の襲撃で全員で撃ちまくるシーンは壮観だが、緊張感のない遠足映画だった。規律も連帯感もないヤツらがおとなしく従ってしまうのがデルタ出身の傭兵。何者かわからんし、A.ブロディなので強そうには見えない。AA-12は強そうだが。アリス・ブラガちゃんはロドリゲス好みのラテン系スナイパー。ブレイザーR93で仲間を救う。期待のD.トレホは地獄のコマンドのチャック・ノリスばりにMP5K×2丁撃ちなんだが出番少なすぎ、ヘ〜ルプミィ…。半蔵はヤクザだけどベレッタ92FS。クンフーでなく日本刀で戦うのは偉いが、かけ声が謎。裸足も謎。黒い焼き魚は、ニムロッド監督のアーマード 武装地帯つながり。カーツ大佐気取りで10シーズンも生き延びたらしいが、丸々太ってるからサバイバル感ゼロ。よかったのはスペツナズのおっさんだけ。なぜか武器がM134だけど、ヤツこそホンモノの戦闘のプロ、カッコエエ。バジェット4000万ドル、USはR、日本はPG-12。
トイ・ストーリー3
2010, 103min.新宿バルト9 S6 Dolby Surround 7.1 ★★
1作目も2作目も大好きだが、これは気にくわない。ドルビー7.1は嬉しいが、3Dで観せられる意味がわからんのと、アンディのトイへの愛着やトイのアンディへの執着が気持ち悪い。大人になったからおもちゃと決別するアンディには共感できない。古くて小汚いおもちゃを次世代に譲る感覚もわからない。おもちゃにだって寿命や流行があるし、飽きられて捨てちゃうんだよ。そして新しいおもちゃが欲しくなるし、それは大人になっても続く。よかったのはダークな部分、特に夜のサニーサイドの描写はたまらん。多すぎるトイの中でよかったのはロッツォ。彼の物語は重厚で洗練され、サブプロットには惜しいほど秀逸。特にチャックルズが語るロッツォの過去は泣けるよ、デイジ−!ロッツォはパルパティーン、ビッグ・ベビーはダースベイダーだ。ベビーがロッツォを投げるショットは拍手もの。そう言えば、スター・ウォーズの2、4、6が入ってたなー。アニメ的にはボニーと母親の演技がよかった。ロッツォのイチゴの香りはトイ・ストーリー3の世界展で実際に嗅げるよ。USはG。
デイ&ナイト
晴れ ときどき くもりに続くディズニーデジタル3Dの短編。昼と夜が出会い、お互いに自慢し合い、最後は認め合う。これは2Dと3Dの話、いいアイデアだ。それを手描きでマスクした 3Dっていうまんま映像化した手法は面白い。こういう融合のさせ方は挑戦だ。ほぼ 1 カット、セリフなしの力作だが、感心はしても大して笑えない。たった6分なのに、関わったスタッフ多いこと!
June 17, 2010
アイアンマン2
2010, 124min.新宿バルト9 S6 Dolby Digital Cinema ★★★
ダウニーJr.のはしゃぎぶりやコワレっぷり、G.パルトロウのイライラぶりを始め、お笑いシーンが多くて楽しかった。トニーのオヤジとのちょっとエエ話もあったし。ローディ役がドン・チードルになって中佐に見えんし、神経質そうでヤだなあ。ミッキー・ロークも物理学者には見えんが、存在感あったなー。カッコエエ。アクションシーンのストーリーボードはゲンディ・タルタコフスキーなので、アニメ的構図がしっくり。編集もアクションつなぎが絶妙で心地よかった。メカの切り株描写多数!空中戦は夜だし早すぎて、よーわからん。昼間やれよ。マーク6と改造マーク2のタッグはいい絵だった。ウィップラッシュやハマードローンズ、登場が大袈裟な割に弱すぎる。お気に入りはS.ヨハンソンのブラック・ウィドー。頼もしくて超カッコイイ。ハマー社潜入のアクションは撮り方も好み。アヴェンジャー計画も進んでるようで、キャプテン・アメリカのシールドとかマイティ・ソーのハンマーとかわかりにくいアイテムでアピール。バジェット2億ドル、USはPG-13。
→imdb、imfdb、予告、Perception制作のUI、Prologue Filmsのモンタージュ、日本語サイト
June 13, 2010
サバイバル・オブ・ザ・デッド
ロメロゾンビでは、ランドに続くシネスコで、前作ダイアリーからのスピン・オフ。今回の低予算映画は、意外にもゾンビが増え続ける中での人間同士の抗争がメインだった。川を挟んで対立する2つの家族。一方はゾンビは殺すべき。もう一方は殺さずに家畜化し、人を食わないようにしつけようとする。ちょっと死霊のえじき。豚は食わなかったが馬は食った!そして乗馬ゾンビと潜水ゾンビ。ただ、今回は内容が浅くて地味すぎた。公開しただけでも偉いけど、DVDスルーでもいい。USはRだろうけど、日本はR-18って厳しすぎ。
June 01, 2010
グリーン・ゾーン
グリーングラスのグリーンゾーン。本編前にミニ解説があったのは東宝東和の親切。でも字幕はショボかった。イラク戦争ってことではハートロッカーと兄弟。撮影監督が同じ人だが、リアリズムのアプローチが違うのがいい。グリーングラス印のハンディ撮影がひたすらリアル。出てくる兵士のほとんどが帰還兵。MET DELTAはM.デイモン以外全員。装備から行動から徹底的にリアル追究。ナイトシーンのチェイスはフィルム粒子がリアルだし、ブラックホーク視点も嬉しい。国防総省とCIAの情報戦の中、ガセ情報のソースを探るドラマが軸なので面白すぎ。軍を信用できない主人公にはCIAが心強い。不審に感じたらGoogleで検索。イラク人のフレディがよかった。本当に国のことを思ってるいい奴だ。「自分の国の未来をアメリカに委ねたくない」ってメッセージはイラク人の思いを代表してるようで響いた。返す言葉もないミラー准尉。バジェット1億ドル、USはR、日本はPG-12。
May 27, 2010
処刑人II
前作から10年、やっと続編。基本的に前作とスタイルは同じで新鮮みがない。前作が面白かったのはユニークだったことと、W.デフォーのおかげだったことがわかる。オヤジの過去を絡めたのはよかった。あと、やけにコメディ調。撃ち殺されるのは前作の33人から59人にアップしたけど、ワンパターンで飽きる。両腕を前に突きだして闇雲に撃ちまくってるだけ。マガジンチェンジもなし。主役の銃は最初はベレッタ92FS、途中からデザートイーグル、それも最新のやつ。大して面白くもないのに本筋に影響ないような余計なシーンがジャマだった。全体的に編集が雑な感じ。前作のキャラ再集結は嬉しいけど、死んだはずの人が出てくるのは反則でしょー。バジェット800万ドル、USはR、日本はPG-12。
May 01, 2010
タイタンの戦い
3Dでは観たくなかったんで、2D字幕版で観た。81年版よりイイ!プロローグからしてスグレもの。1時35分の回だったけど、全然眠くなるヒマがなかった。監督はインクレディブル・ハルクのフランス人。この人の景観の使い方やアクションの見せ方はお気に入り。物語はわかってても、神を憎み頑なに人間だと言い張るペルセウスのドラマは新鮮だし、映像は壮大で美しい。神々のイメージも斬新で、戦時中なので甲冑とはいいアイデアだ。ゼウスのL.ニーソンはピッタリだし、兄ハデスがR.ファインズってのもハマってる〜。ハデスは出入りがイチイチ超カッコイイ!ペルセウスと旅する仲間もちゃんと描いてる。CGIクリーチャーは、ダイナメーション好きも納得の仕上がり。生物感が良く出てるし人物とのカラミもバッチリ。81年版の機械フクロウの扱いがぞんさいで笑えた。これはいらんってメッセージでしょ。アルゴのハーピイも特別参加。でも、何と言ってもクラーケン!この大迫力はオリジナル版を凌駕する。水もからむから、CGIでないと絶対出せないスケール感があった。怪獣描写としてはデッドマンズ・チェスト以上。翼だけCGIのペガサスはアルゴス市街でタッチ・アンド・ゴーしたりしてカッコよさを見せてくれるものの、飛び方に美しさとスピード感が不足してるのが惜しかった。人が乗って飛ぶタイプは見慣れてるだけにね。バジェット1億2,500万ドル、USはPG-13。
アリス・イン・ワンダーランド
2D字幕版で観た。ウルフマンと同じヴィクトリア朝時代で、音楽も同じくエルフマンだが、屋敷はよく似たアントニー・ハウス。バートン初のフルデジタル撮影だが、何で2億ドルもかかるのか…。19歳にもなって自分で選択できない女が一転、伝説の戦士になって国を救い、会社員になる。話はだいぶアレンジしてあるわりに、あまりにもフツーで大したことないんだもん、3D版を作ったのもわかる気がする。ギリアムのローズ・イン・タイドランドほどダークじゃないし、シュヴァンクマイエルほどグロくない。やっぱディズニー。ジャバウォッキーを倒すのも、巨大化クッキー食えば苦労いらんだろうに。CGIの動物が違和感あった。特にブラッドハウンドとバンダースナッチと双子。アリスは顔がギャラクティカのスターバックに見えた。白の女王はWの女王、いつ手を降ろすか気になった。最後に出てきた青いチョウは芋虫だな。カラスと書斎机は似てない。バジェット2億ドル、USはPG。
April 30, 2010
ウルフマン
こんなにオモロイのに客少なっ。監督がジョー・ジョンストンで、特殊メイクがリック・ベイカーで、音楽はダニー・エルフマン!最強トリオによるユニヴァーサルモンスター狼男の正統リメイクを観ないでどうする。東宝東和は井村屋とタイアップでウルフまん売ればよかったのに。ウェアウルフじゃなくてウルフマンだからロン・チャニーJr.のように人型だけど、ハルクのような強靭さとウルヴァリンのような敏捷さと治癒力。プエルトリコの力石徹ことベニチオ・デルトロ、がんばった!トランスフォームは一部CGIだけどジョン・ランディス流で嬉しい。白く光るユニヴァーサルアースから始まって、すべてのショットは絵画的な美しさ。ドッキリショットも織りまぜながらヴィクトリア朝の雰囲気たっぷりなホラー。満月じゃないと変身しないから、見せ場は月に1回しかないものの、変身すれば殺戮三昧。抉れる人体、内臓ボトボト、頭はふっとび手足はもげるので、USではR指定。ロンドンの精神病院では狼化妄想ってことで、椅子に固定されたまま氷水に沈められるなど拷問治療されまくり。逃げ出してキングコングばりの大暴れ。奇しくもシャーロック・ホームズと同じ1891年なのに、タワーブリッジ完成してた…。チャッツワース・ハウスでの父子対決はどう猛な肉弾戦で室内版サンダ対ガイラ。R.ベイカーは殺されるジプシー役で出演。尺は102分と短めだけどディレクターズカットは16分長い。バジェットは8,500万ドル、日本はR-15+。J.ジョンストン、次は「キャプテン・アメリカ」だっ!
April 17, 2010
シャッター アイランド
絶壁に囲まれた孤島にある精神障害犯罪者を収容する病院って設定がそそる。本編前「映画泥棒」の代わりに錯視図が出て「脳は都合のいいように解釈します」なんて注意が。超吹替版でなく字幕版にしたけど、謎解きというよりトラウマの話なので十分だったな。Ghostをゾンビって訳してたけど…。連邦保安官が島に向かう船上で、誰だよお前みたいなパートナー登場。こいつが物語の鍵を握るに違いない。てことで相棒に注目。2人でタバコ吸ってると目前に島がドーン!と。富士急ハイランドよりシャッターアイランドだよな、不気味でいい感じ。施設は怪しさたっぷり!ジメ〜っとした雰囲気。さあ捜査だ、探検だ!そんなこったろーと思ったっていう真相は延々と説明があるので、もしかしたらひっくり返してくれるかもって期待したけどそのまんま後味悪く終わる。それでも、マーティの見事な映像とホラーっぽい演出には惹きつけられっぱなし。上陸してぐんぐん入っていくカメラ、夢、ハリケーン、迷宮のようなC塔、断崖、灯台、ロールしないエンドタイトル。47番目は誰だっけ?USはR、日本はPG-12。
April 10, 2010
第9地区
2009, 111min. 新宿ピカデリー S4 ★★★★★
映画史に残るエイリアン映画。N.ブロムカンプの6分の短編Alive in Joburgを、彼を見出したP.ジャクソンのプロデュースで自ら長編映画化。会社に忠実なマジメくんが、異星人化で立場逆転、狩られる側でヒーローになる見事なドラマがモックメンタリーで描かれる。撮影はRed One。軍を持つ企業による統治と排除、大量のヘリ、軍人魂の鬼大佐、異星人に同化する主人公。でも、アバター以上の満足感。だって、Prawnsは生命体8472をより醜悪化したルックスで、嫌悪感あって理想的だし、人間には使えない異星人のデカイ銃器、南アフリカ製の銃器たち(ダネルNTW-20対物ライフル、CR-21突撃銃、PAW-20グレネードランチャー)、銃撃戦で飛び散る血しぶき、ブッ壊れるまで戦うバトルスーツが観られる!黒い液体はマクガフィン。差別描写にも共感できるし、ギャングも嬉しい。こうでなくっちゃ。モックメンタリーとしての完成度も高くて楽しく、リアル度200%。ドキュメンタリー素材として見慣れたスタイルでの引用は状況を伝え、インタビューは物語に深みをプラス。世界的事件なのに、他国や政府の描写を省いたのもアウターリミッツなSFぽくまとまった。主人公ヴィカスを演じたのは素人とは思えない見事な演技っぷり。クリストファー親子と深まる親交。第10地区で待ってるよ。DVDの特典も楽しみ。バジェットは3,000万ドル、USはR、日本はPG-12。
→imdb、imfdb、予告、MNU、MNU Spreads Lies、日本語サイト
April 01, 2010
アーマード 武装地帯
サム・ライミ製作のクライム・アクション。警備会社イーグル・シールド社の第12班、M.ディロン率いるモーフィアス、レオン、スクレ、ピーター・ペトレリの豪華チームが、現金4200万ドルを輸送してそのまま強奪しちゃう作戦。元軍人の新人くんも仲間にしたぜ。主役はどうやらこの新人くん。児童保護局のオバちゃんがちょこっと出る以外は男ばっかし(しかも髭面!)そして2台の現金輸送車!計画がちょっとしたことで狂って、どんどんドツボにはまってくってパターンは結構好き。銃撃戦はないけど、こじんまりとした中で楽しませてくれる上、尺も短いので飽きない。新人くんが輸送車に立て籠もってからは、ドアのヒンジ外し作業を延々やったり、わざわざ弟を連れてきたりして、時間ない割に悠長だったりするから余計にイライラ、もするけど緊迫する。関係ないけど、L.フィッシュバーンとJ.レノは誕生日が同じ7月30日。バジェットは2,500万ドル、USはPG-13。
March 25, 2010
シャーロック・ホームズ
頭脳明晰なんだけど品がなくて小汚くて野性的なホームズは異色すぎ。格闘はめちゃくちゃ素早くKOしちゃうので、直前に手順と効果をゆっくり見せてくれる。アブダクションはCSIシリーズとかでお馴染みの見せ方。推理よりも派手なアクション重視。話は大して面白くないけど、アクションヒーローなんで退屈はしない。冒頭、テムズ川に建設中のタワーブリッジが見えるんだが、これがクライマックスの舞台とは心憎い。タワーブリッジの建設は1886〜94年。お話は1891年だからピッタリなるほど。でもこの時点でモリアーティー教授は存在を匂わせるだけ。ブラックウッド卿、迫力あるけど日本だったら黒木さん。でかいドレッジャーはゴライアス・エル・ヒガンテだー(WWFのクルガン)、300に続いての映画出演。エンドタイトルのハーモニーはカッコよかった。バジェットは9,000万ドル、USはPG-13。
March 08, 2010
ハート・ロッカー
流行の16ミリ手持ち自然光撮影、キヤノンのレンズは観客目線。使ったカメラはAaton A-MinimaとAaton XTR Prod。あと、スーパースロー用でPhantom HD。爆発物処理チームの日常を描いてて、物語はない。ほんっとに戦場での日常描写。ブラボー中隊エピソード集。使い込まれたM4がシブい。スコープビューのリアルさに感心。主人公はかなり無謀。命懸けなんだから規律なんか守ってらんないよね。でもチームとしては困り者。緑の対爆スーツ着て爆破したり無効化したり、このスリルは中毒になる。"War is a drug." 誰が民間人なのかわかんない状況、気が抜けない。面白いのは意外にも狙撃戦。バレットM82の弾丸に血がこびりついてジャムったり、日が暮れるまで動かなかったり。爆弾処理のエキスパートはスポッターもこなすし、ジュースも飲ませる。敵狙撃手と向き合う緊張。「6時の方向に何か動いた」「まかせる」だって動けないんだもん。G.ピアース、D.モース、R.ファインズはカメオじゃなくチョイ役。ハンビーを車と訳すのはやめてほしい。バジェットは1,100万ドルでアバターの1/20。USはR。
March 04, 2010
コララインとボタンの魔女 3D
2009, 100min. TOHOシネマズ 六本木ヒルズ S1 ★★★
暗いXpanDと読みにくい字幕は最悪な組み合わせ。2D版でいいのに、2,100円も払って3D版観なきゃならんとは。でもストップモーション初のデジタル3D撮影だし。使ったカメラはNikon D80、MegaPlus EC11000、Red One。絵コンテはCintiqで描いたらしい。キャラクターの個性が、2コマ打ちのスムーズな動きと、顔面分割で作った豊かな表情で表現されてて、ストップモーションとしては恐ろしくクオリティ高い。いくつかのショットでの3コマ打ちが、目に引っかかってギコチなかったほど。3D的な演出は意欲的だけど、2D版を観たかった。ピンクのアパートにヘンなやつら。キャロラインじゃなくてコララインが現実とパラレルを行ったり来たり。ちっさいドアが鏡だったらDr.パルナサスの鏡じゃん。あっちの世界は魅力的。実は現実もあっちもかなりヘンなんだけど。原作がN.ゲイマンてことでミラーマスクとも似てる。ボタンの目、気色悪うー。カシモドみたいなワイビーがよかった。バジェット6000万ドル、USはPG。
March 01, 2010
インビクタス/負けざる者たち
お馴染みのネルソン・マンデラが釈放されるニュース映像、映ってるのは実はモーガン・フリーマン!さすが本人公認のマディバ様、見事なマンデラ大統領の誕生。アパルトヘイト撤廃で南アフリカの新時代を託した、緑と金のスプリングボクス。民族の縮図を護衛チームで見せている点は見事。護衛チームが仲良くなっていくわけですよ!そして運命の1995年6月24日のラグビーワールドカップ決勝、ニュージーランド戦の再現!緻密な音響デザインもあって、スタジアムにいるような感覚。オ〜レ〜、オレオレオレ〜!優勝して南アフリカ中が歓喜する。まるでその場に居合わせたような感動!クリントの演出はストレートでわかりやすい。クライマックス以外にもいいシーンも多い。中でもチームが黒人の子供達にラグビー指導するシーン、マンデラが収監されてたあまりにも狭い独房をマットが訪れるシーンは身にしみる。バジェット6000万ドル。USはPG-13。
February 01, 2010
Dr.パルナサスの鏡
タイム・バンディッツやバロンを思い出させる仕掛けに溢れたギリアムオリジナル映画で楽しめた。ストーリーボードも自分で描くなんてバロン以来だから、スゴイ入れ込みよう。イマジナリウムなんか2.5Dななんじゃこりゃーなギリアムワールドの集大成で素晴らしかった。このヘンテコさは誰にも真似できない。家にも舞台にもなる馬車、いいわー。後部引き出しにミニ・ミーが寝てたり。キャストは超充実だったが、ヴァレンティナちゃん役のリリー・コールだけはデボン青木みたいでヤだった。バジェット3000万ドル。USはPG-13、日本はなぜかPG-12。
January 19, 2010
アバター IMAX 3D
2009, 162min. 109シネマ菖蒲 TH11 IMAX 3D ★★★★
2度目の「アバター」は、菖蒲のIMAXデジタルシアターで観てきた。スクリーンはTOHO六本木のシアター7と同じか、ちょい小さいくらいのサイズ。あー、でもIMAXシアターと比べると高さが全然足りんなあ。客席の傾斜はかなり急で、これはIMAXシアターっぽい。既存の劇場をIMAXデジタル仕様に改造した川崎と違って、菖蒲は最初っからIMAXデジタルシアターとして作られた劇場だからだろう。前列の客はまったく気にならない。メガネをかけると、視界いっぱいがスクリーン。「アバター」は16:9なので収まりがいい。メガネはXpanDと比べると全然軽いし明るくて、パンドラの美しさが堪能できた。画面の端のゴーストもなかった。ナヴィとアバターの指の違いもよくわかったし。200円の差でこんなにも快適だなんて、さすがIMAXデジタル。3-Dの効果は騒ぐほどではなかった。これをIMAXシアターで観たらもっともっとすげーんだろうなあ、とは思うけど。3-D空間の見せ方はジム・キャメロンよりボブ・ゼメキスの方がうまい、というかわかってる。今回は吹替え版を選択、ジェイク・サリーは「PB」のマイケル・スコフィールドの声。つまり「ターミネーター4」のマーカスと同じ人なのでしっくりきた。