原題のシカリオはスペイン語でヒットマンの意味。この映画で誰のことかってえと、おっと。FBIとSWATの壮絶な突入から始まる。CIAとメキシコ麻薬カルテルの戦争に加わるFBIのケイト。世界一住みたくない都市、フアレスへようこそ。いやーな空気感が漂う映像。主人公ケイトと共に現実を学ぶ。『地獄の黙示録』で狂気を体験するウィラードみたいに。渋滞の中の銃撃戦はリアルでよかった。特殊なミッションには裏の目的があって不安だし、残虐なカルテルには容赦ない拷問。トンネル急襲はSWATも参加。自由射撃。キャメラは揺らさず計算されたカット割で、色調も見事。アカデミー撮影賞ノミニーだけある。緊張感を煽る音楽が伊福部昭っぽくてカッコいい。『キングコング対ゴジラ』の大ダコが出てきそう。エミリー・ブラントは相変わらずカッコイイ。狂気に身をおきながら、咄嗟にグロック19を撃ったり、撃てなかったり。ベニチオ・デル・トロは期待通りの怪演。往年の牧伸二がウクレレの代わりにMP5を構える。ホレイショ・ケインのようにボス宅に単身突入。家族と食事中のボスをHK Mk23で殺すシーンも好き。悪徳警官が『ウォーキング・デッド』のシェーンだ。続編が楽しみ。バジェットは3000万ドル。USはR、日本はR15+。
→imdb、imfdb、予告、The Mirage of a Moral World、日本語サイト
投稿者 A.e.Suck : February 23, 2016 11:33 PM