「2001年」+「コンタクト」+「惑星ソラリス」。敢えて古くさい映画を狙ったんだろう。新しいアイデアや演出や映像はないのに、相変わらずのノーラン節。マーフィーの法則もアポロフェイク説もモールスも今更な感じ。ゴーストの正体や好都合な「彼ら」もね。セットアップが長っ。しかも序盤で謎解きの予想がつくし、どうでもいい話が多い割に肝心な伏線が足りなくて展開が唐突すぎる。セリフによる説明は不可欠だが、肝心な部分はファンタジー。スピルバーグが監督する予定だった人類移住先探査の話に、ノーラン兄がやりたかった「DS9」の「父と子」のような話を合体しちゃった。曖昧な「彼ら」のタイムパラドックスはともかく、ノーランはSFメカの描写に疎い、というか愛着がない。それより科学的説明。でも「2001年」だって説明なんかしてないよ、映像から読み取れるようにできてる。ワームホール描写は正確だそうだが、その先と地球でやりとりする感覚はわからん。ブラックホールから5次元を経て生還したり、特異点データをモールスで送れるのもわからん。モノリスロボはだせえけど使えてる。物語構成はノーランいつものスタイルだが実はこうでしたってのが多すぎて「インセプション」よりつまらん。フィルムのIMAXで見ると凄いんだろうけどな。スピルバーグが監督する予定だったバージョンはもっとシンプルだったのに。バジェットは1億6500万ドル。エレン・バーステインとウィリアム・ディベインが嬉しい。
→imdb、予告、Timeline、Interstellar Black Hole、日本語サイト
投稿者 A.e.Suck : November 29, 2014 10:04 PM