FLASHアニメーション完全攻略
A.e.Suck
来日記者会見
Q日本へようこそ。まず日本の印象から伺いましょう。
A日本人がカメラ好きなのは知ってたけど、これほどとは驚きました。
Qみなさん、取材ですからね。日本語が大変お上手ですね。
A私は生まれが名古屋なんです。記者の皆さんに前もってお願いしておきますが、私の国籍については質問しないでください(笑)
Qはいはい、少なくとも日本人ではないんでしたね。
A(無視して水を飲む)
Qところで、書籍では異例の試読会を行ったそうですね。
Aやはりリサーチは重要だと思います。そこでスニーク・プレビューを行いました。無作為に抽出した一般読者を集めて本を見てもらい、最後に50項目のアンケートを記入してもらったんですが、実のところかなり不評でした。対象をコンテンツ制作者やFlashユーザとかに絞ればよかったのかもしれません。特にラストは暗すぎると感じる人が多かったようです。
Qでは、ラストを変更をしたわけですか?
Aその通りです。最後に索引をつけることにしました。これによって、読者はすがすがしく本を読み終えることができるわけです。映画のエンドクレジットと同じです。そして、しばらくすると、もう一度読みたくなって、書店に足を運んでしまうのです。
Qなにも、また買わなくても…
Aいや、読むたびに新たな発見があるはずなんです。1冊めはストーリーに夢中になって気付かなかったこととかね。2冊めはまた別の楽しみ方ができるはずです。実際、アメリカの3つの州で先行販売したんですが、リピーターが購入者の3割を占めていると報告がありました。
Q前作(ジャンピングFLASH 3J)から3年たっていますが、大きな違いがありましたか?
Aアニメーション技術の基礎に関しては今も昔も変わりません。その部分については深く言及しています。ディズニーやフライシャーのスタジオで戦前から行われていたような自然の法則、アニメーションのルールです。それに日本的なリミテッド・アニメの技法を加えています。Flashはそれらを実践するスタジオと考えています。
Q続編と考えていいんでしょうか?
Aそうとは言えませんね。ジャンピングからの流用はまったくありませんし、登場人物も世界観も異なります。ただ、ジャンピングでは収録しきれなかった部分をカットしましたが、今回はそれらも含めています。予定より100ページほど増えてしまいましたが、ノーカットでリリースされました。
Q執筆は順調でしたか?何かエピソードがあれば。
Aいいことも悪いこともありました。まず、いいことですが、ハーベイ・カイテルがスキップおじさんの役を引き受けてくれたことですね。最初は難色を示しましたが、私がキャラクターについて説明すると、見事なスキップを見せてくれました。彼との仕事は非常にエキサイティングでいい経験になりましたよ。彼が追求している根底にあるものは、自分が演じるキャラクターの真実を見つけ出すことなんです。例えば、スキップの歩幅とか呼吸法など、読者には判らないような細かいことにもこだわります。でも彼にとっては非常に重要なことで、俳優として把握すべきことなのです。
Q悪いことというのは?
A残念なことに、転落事故でスタントマンの1人が怪我をしたことです。幸いもう退院していますが、あの事故ではかなりナーバスになりましたよ。

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